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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■音楽
★Janis
★マレーネ・ディートリッヒ
★清水靖晃
★
★Janis
ある友人から「年末年始用に」といってビデオ3本、CD3枚を貸してもらった。
(みかりん、さんくす♪)
そのうちのビデオ1本、まだちょっと早いんだけど、早速見てしまった。
タイトルは『Janis』。60年代後半〜70年頃にかけて活躍したアメリカのシンガー、
ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin, 19xx-7x)の姿を、ライヴを中心に映したものだ。
なぜジャニスばっかり先に見たくなってしまったかというと、
私はジャニスにすごく興味があるのに、
歌もあまり知らないし、映像でもほとんど見たことがなかったからだ。
そうは言っても、ジャニスをモデルにした映画『The Rose』は見たことがある。
それも、確か2度くらい。あ、違う。やっぱり1度だ。
でも、ベット・ミドラー(Bet Middler)の扮する「ローズ(=ジャニスがモデルになっている主人公)」が
全身で熱唱する姿は、
今から10年ほど前にビデオを借りてきて見たときから、
強烈なインパクトを私に与えつづけている。今も。
オフラインで私を知っている人の中には、
もしかしたら私がカラオケでやたらと"The Rose"を歌うのを知っている人もいるだろう。
私は、どちらかというと淡々と歌う"The Rose"の中に、ジャニスの、
そうして彼女がまるで自分のことを全て表現し尽くそうとしたかのように
駆け抜けて生きていった姿を模したベット・ミドラーの、
「お願いだから、私のことをわかってーーーー!!」
と大声で叫ぶような歌い方への憧れを込めている。
それは、いつの頃からか自分でも覚えていないけれど、
ジャニスやベット、そうしてもしかしたらNOKKOや椎名林檎にもつながるような
全身を使って、搾り出すように、叫ぶように歌う(文字通り「シャウト唱法」などと呼ばれたこともあった)
そういう「歌」に、私が強い憧れを持っているからだ……と、思う。
それは、エラ・フィッツジェラルドに代表されるようなジャズヴォーカルに
ルーツを求められるのかもしれないし、
(悔しい、名前を思い出せない!! いつも気にしてるのに)ソウルにも、
更には遠くケイト・ブッシュとかマドンナ、ホイットニー・ヒューストン、マライア・キャリー、
あとジュエルなんかにも通じるのかもしれない。
私は、もともと喉がそんなに強いほうではなかったのに無理して男声で高い音を出そうとして、
今では高い声なんてろくすっぽ出ない。
(しゃべり声はユーミンと同じくらいの高さなんだけど(^^;)
でも、確か10代の頃からずうっと思ってきた。
きれいでパワフルで説得力のある、女性ヴォーカルが歌えたらよかったのに、と。
ああ、そうか、タイプはだいぶ違うけど、
中1のときにカーペンターズの"Yesterday Once More"を歌って以来なんだ。
――私はステージの上のジャニスとシンクロして、体じゅうでソウルを感じていた。
ジャニスの言う「ブルースやソウルは音楽として誠実そうだと思ったから(歌う)」という言葉を、
私は体で感じていた。
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★マレーネ・ディートリッヒ
さて、その後、(こうやって書くのは蛇足なんだろうけれど)こんなことがあった。
ビデオを見終わって巻き戻し始めたら、テレビのチャンネルが映った。
それはNHKで、番組は「マレーネ・ディートリッヒ」を追うドキュメンタリーだった。
マレーネは、ジャニスとはほとんど「正反対」と言ってもいいような歌い方をする。
「1963年にドイツ語で歌う『リリー・マルレーン』の映像」というのを見た。
この人の声域は、実は私でも歌えるようなとても低い音域だ。
そうして、何かを見据えるような、ほとんど表情はおろか目線も動かさない姿勢。
でも、私はこの人が、祖国に帰れなくなってでも貫き通した生き方と、
その生き方に裏打ちされたかのような歌い方に、
ジャニスのときと同じように感動してしまった。
月並みな言葉が結論になってしまうけれど、……
歌は、人生。生きざま。
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12月26日(水)
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