ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
[141671hit]

■弱っちいのぉ>自分 (いつもの)北風と太陽 誰からの「被害者」?
「バーカ。おまえは加害者でしかないんだよ。責任転嫁するな。みっともない」
と、わたし自身もついそう思ってしまうようなことを言ってわたしが苦しむのを見たがるだろう。

正直なところ、わたしは自分が誰かからの「被害者」である、というようなことをあまり正々堂々と書きたくない。
これは、というよりこれ「も」、もしかしたら「男っぽい感情」なのかもしれない。
「人のせいにするな。甘えるな」という言葉が、多くの人から浴びせられそうで怖い。

それに、わたしにとってはこのことを明らかにするのは、いわば「死者を鞭打つ行為」になってしまうので、そんなひどいことしたくない、ということもあるだろう。

でも。
あえて明らかにしよう。
それをはっきりさせ、しっかり見据えるようにしないと、今生きている人たちに大きな迷惑をかけてしまうことになるから。

わたしにとっての「加害者」は、亡父だ。
父自身はもう亡くなっているので、今更「謝れ」だのなんだのできるわけではない。
けれど、父がわたしにしたことの中に、わたしが自分のことをどうしても認めることができなくなるようなことが、かなり多く、あるいは大きく含まれていたのは事実だと思う。

……以前書いたことがあるけれど、今は詳しく書く気がしない。
他のことでも自分を追い込んでいるので(だからこんなことを書いているんだけど)、これ以上書くことで自分の心に必要以上に波風を立てたくはないのだ。

今では、わたしはもう父を「憎い」とか思わない。
でも、そのせいでつい曖昧にしてしまうけれど、父がわたしにしたことの中で明らかに過ちであった部分ははっきりとそのように認めなくてはいけない。
過ちは過ち。
それを何かそうでないもののように扱ってしまったら、わたしは父と同じようなことをして、わたしの傷を他の誰かに対して「連鎖」させてしまうだろう。

過ちは排除して、でも父の人格は人格として認めて。
……うう、いきなり自分が考えた「公式」にあてはめようとしても、難しいや。

でも、それができたら。
それが、できたら。
この記事のトップへ
ページのトップへ
……と書いて、見返したら。
なんだかこれ、『残酷な神が支配する』みたいだな。
グレッグは死んでからもジェルミを支配した。
物語の結末に至っても、その支配は決して消え去りはしていない。
ジェルミは、その支配といわば「やわらかに付き合う」ことを覚えただけだと思う。

……ふぅー……
やっぱり、思い出すのはつらい。
つらいっていうことは、やっぱりわたしにも同じような「被害」があったからだろうな。

お父さん。
「ぼく」は、もうあなたのことを「許さない」という気にはなれません。
けれども、あなたが「ぼく」にしてしまった「過ち」は、はっきりと「過ち」として認識しようと思います。
「ぼく」の最愛の人のために。

お父さん。
「ぼく」は、その人を守るためになら、あなたの「敵」になることも、いとわない。

ページのトップへ

05月21日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る