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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■オードリー / 「良い二日酔い」 他
つまり、「国境線」などという概念が、そもそも西洋の近代帝国主義からもたらされた「悪魔」の概念なのだ、
とさえ言えるのだ。
ああ、もう一つあった。
東洋でも、なぜかひとり日本だけは、18世紀だか19世紀だかに確立した
「鎖国」という概念で、「国境線」と同じような感覚を学んでいたのだった。
歴史は先へ進めば進むほど、どんどん貧しくなっていく。
私も含めて、40歳ぐらいから上の人たちはこういう考え方には馴染みにくいかもしれない。
でも、私には、あちらこちらで起きる現代的な現象が、
まるで「歴史は先細り」と大声で叫んでいるかのように見えて仕方がないのだ。
こんなことを言う私は「非国民」なのかもしれない。
でも、いいじゃん、「不審船」なんて、放っておけば。
こっちから発砲しなければ、ロケット弾なんて撃ち返してきたりしなかったんじゃないの?
甘い考えで滅ぼされるのなら、それもまた幸せだと思うんだけど。
もちろん、いざ本当に滅ぼされることになったら、私はさんざん後悔して泣き叫び、
じたばたして逃げようと慌てふためくだろう。
その姿は見ていられないほど惨めで憐れで、みっともないだろう。
「甘ちゃん」「無責任」「口ばっかり」
そんなことを言われるだろう。
でも、それが私なんだから、それでいい。そう思う。
こちらから仕掛けたりするよりもずっといい。
せめて、憎しみの連鎖が私で途切れてしまうことができるのなら。
私一人を笑って、それでおしまいにできるのなら。
(悲しいことに、それで生き残るのはけっきょく
「憎しみをそのまま連鎖させる者」だということの解決にはなっていない。
けれど、人間って、それをちゃんと解決できるほど頭良くないんじゃない?
だって、私にもそれをどうすりゃいいのかわからないし、
この世の誰も解決できたのを見たことないもん。
和解すればいいんだろうけど、和解できずに殺しあってしまった後に残るのは
より恐ろしい憎しみを冷静な計算や偽善的な「正義」に置き換えて
「勝利」した者である、という矛盾!
私は何度だって繰り返す。
この世に「あれで良かったんだ」と正当化できる戦争は一つもない。
戦争で勝利した者は、次の時代にはより大きな後悔と敗北を味わうのみ。
貧乏くじをひいて戦いに赴いた者は、どんな栄光に包まれて凱旋しても、
その手に消えない血の色を見て、死ぬまで生き地獄を歩むのだ。
それが「戦う者」の宿命だ。また、そうあるべきだ)
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12月25日(火)
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