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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■男でも女でもない「第三の性」認め支援 インド南部の州
 「当初は州政府は聞く耳を持たなかった」とアーシャさん振り返る。02年ごろから行政や政治家への働きかけを始め、06年にアラバニたちが1千人規模の街頭活動を始めると、地元メディアも取り上げ始め、風向きが変わった。

 タミルナド州には選挙で票につながる社会福祉に積極的な政治土壌があるとされる。昨年来の急進展には、先駆的な施策を福祉の象徴的な成果として宣伝し、「得点」にしたいという地元有力政治家の思惑もささやかれる。

 しかし、教育機会や職業訓練を得ても、社会が人材として受け入れなければ意味がない。差別解消のための啓発はまだまだ大きな課題だ。

 州政府のマニバサン社会福祉部長は「根深い差別はあり、ゆっくりとした変化になる。これが始まりだ」。アーシャさんも「道は一日にしてならず、ですよ」と話す。

 〈アラバニ〉 インド南部のタミル語で「男でも女でもない」存在の意。英語で「トランスジェンダー」、日本の「性同一性障害」の人に相当する。インド北部では「ヒジュラ」と呼ばれ、超自然の能力があるとされ、男児が生まれた家庭や結婚式に押しかけ、繁栄や多産を願う音楽や踊りを披露して謝礼で生計を立てる。南インドにはヒジュラの伝統はなく、物ごいか売春で収入を得る人が多い。身体的に男女の別がはっきりしない人はまれで、ほとんどが「体は男で心は女」の人たち。仲間内で性器の除去手術をする例が多い。グルの元で集団生活を送り、女装をする。

 〈タミルナド州〉 住民の大多数は紀元前1500年ごろにインド北方から南下したアーリア人よりも前にインドに住んでいたドラビダ系のタミル人。インド独立直後の40年代末〜60年代にかけて北インド中心の政治・経済やヒンディー語の押しつけに反対し、分離独立運動が起こるなど、中央への対抗心やタミル人の伝統や文化への自負は強い。政治も中央政党の国民会議派の影響力は小さく、地域政党が勢力を競ってきた。

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なるほどー。おもしろいー。

07月24日(木)
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