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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■わな 続報 フェアウェル
「ほとんどザル法化している母性保護法では、今でもパイプカットはおろか、卵巣や膣、睾丸、陰茎などの器官に手を加えて自然な生殖を阻害する医療行為を禁じています。で、性同一性障害などで悩む人達を救うために考え出されたのが、倫理委員会の設置だった。ここでの手続きを踏めば、違法性を問わないでおこうという判断基準を作ったのです」
(引用者注:これは私の考え方が歪んでいる、というか
「法学士」という資格を疑われてしまうような考え方だけれど、
「自然な生殖を阻害する医療行為を禁じている」というのはどういうことか。
もともと「優生保護法」というのは、「優生」の反対の「劣性遺伝」を淘汰するために考え出されたものだった。
その最初の法理念を、「そのほうが歪んでいるから」ということで
「生殖全般を保護する」という理念に方向転換して、今の「母性保護法」がある。
けれども……さあ……それは「本人に意思に反する」という言葉が本来はいちばん先頭にくっついていなければ
いけなかったんじゃないの?
そのたった一言がないせいで、あたかも「生殖を伴わない性行為は道徳的に劣る」という倫理観の権化のようなかたちに、
この「母性保護法」は扱われているように思えてならない。
だいいち、「母性」というのなら、なんで男性の生殖機能にまで口を出す?
法律の名称と内容すら、まともに一致させられないのが、
この国の「性」に対する倫理観……うう、気持ち悪い)
(記事はこの後、「医事法」に照らして当該の「わだ形成クリニック」がいかに杜撰か、並べ立てていく)
「男性器や女性器を作る手術は高度な技術と専門の施設が必要だし、最低2、3人の医師と麻酔医、看護婦がつくものです。だから今回のように、医師がたった1人で手術をしたと聞いた時はあきれて物も言えませんでした」(同)
その揚句に患者を死なせてしまったのである。警察が業務上過失致死容疑で医師を取り調べたのは当然だろう。
……
この医師は大阪市北区にある「わだ形成クリニック」の和田耕治院長である。群馬大学医学部卒。86年から美容形成を手がけるベテランだ。
(……元同僚医師の証言として「ミスが多かった」とか言わせてる)
しかし性転換手術を希望する患者達には評判が良かった。
(ここからは、かなり事実のとおりのことが書かれていく)
「説明が丁寧だったし、述語のケアもこまめにやっていた。ついには、”もっと安い料金で手術をしてあげたい”と、みずから開業してしまったほどの患者思いだったのです」
現在のクリニックを開業したのは6年前だが、ここでも患者達の評判は上々だった。地元のゲイバーで働くニューハーフ嬢もこう言う。
「男から女になる時は、まず睾丸を摘出して男性ホルモンの働きを止めるのですが、その手術台が12万円と低料金なのは和田先生がいるクリニックくらいだったわね」
彼女たちの術後のケアもかねてゲイバーなどにも頻繁に通い、惜しみなく金を遣っていく和田院長の渾名(あだな)が”ニューハーフ界の赤ひげ”だったと、地元記者の日土地は打ち明ける。
「そんな院長を慕って東京から通院していたのが、今回亡くなった35歳の男性患者でした。彼は1年程前に睾丸を摘出してもらい、この2月25日に陰茎部分を除去して女性器を作る手術を受けました」
5時間半も要した大手術なのに麻酔医はおろか、医者と名のつく者は和田院長のみという無謀な性転換手術だったのである。案の定、術後に患者の容体が急変、阪大病院に搬送したが死んでしまう。
「検死解剖によって、麻酔の管理ミスで起きる肺浮腫の症状が発見されています」(同)
待望の女性の体を手に入れたばかりなのに、この男性はその喜びを味わう暇すらなかったのが哀れである。が、先のニューハーフ嬢
はこう訴える。
「それよりも心配なのは和田院長の方ですよ。今回の件で先生が逮捕されたら、私たちのような患者は頼るところがなくなってしまうのです」
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最後の言葉、私も心配になってしまう。
正直な話、和田院長も加われるジェンダークリニックの構築が可能となるような
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04月13日(土)
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