ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■方向感覚
なんか、「渡り方」を誤っただけで、ふと気がつくと「図書館」ではなくて、反対方向の「城跡」かなんかに行ってしまいそう(^^;。
……でも、いつまでももじもじしているわけにはいかない。
あっ、向こうで高校生の子たちがこっち見てる。
ええい、いいや。たぶん、「S山」があっちに見えるんだから、すっごく斜めだけどこっちでいいんだろう。
どうやら「S山」が左に見えるままで、渡った先の道を進んでいけた。
……と、今度は、ちょっと先の方に交差点があるようだ。
今、車が横切ったから。
……そこまで来てみて分かった。
幹線道路(その2)だった。
……忘れていた。
この道、渡ってしまっても「図書館」に行けるんだっけ?
あううぅっ、分からないぃぃぃ(^^; (^^;
でも、「S山」の風景が、なんだか「図書館」から見えるのよりも「手前」になるようだ。
……
……(考え中;でも、何考えたらいいのか、分からない(^^;)
あ、また人が見てる。
いいや、渡っちゃえっ!!
あっ、し、しまった、渡ってその先へ行こうとしたら、すぐに行き止まりだっ!!
やられたっ!!
私は既に混乱していた。
こういうとき、私は「分かっている目印まで戻る」ことができないのだ。
たいていの場合、そんなことは忘れ、焦って先へ進もうとしてしまうし、もしも思い出して「戻った」つもりでも、ちゃんと戻れたことがないのも、経験的に(^^;明らかだった。
た、確か、こっちが「図書館」の方向だっ!!
ああ、また曲がらなくちゃ。今度は右よねっ?
……そうして、完全に「あてずっぽう」に曲がったとき。
……
目の前に、少し広い道路が伸びていた。
そして、その突き当たり、約500mぐらい先の方に、……
あったの。
図書館の窓が。
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私はとても視力が良い。小学校〜中学校にかけてはずっと、両眼とも「2.0」だったし、20代の終わりごろにワープロを始めて、昔の液晶の黒っぽい画面を見ているうちにいったん「左1.2、右1.5」に下がってしまったが、今はまた両眼とも「1.5」だ。
それでも自分では「霞んでいるなあ」と思う。
きっと、「老眼」になるのは早いんだろうなあ……
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窓の中の、外よりはちょっと暗い室内で、本を読んでいる人たちの姿が見える。
や、……やったぁっ!!
なんと、ほぼ「最短距離」で「図書館」に到達したのだ。
なんで「最短距離」って分かるかって?
だって、「S山」がずっと左に見えたもん。
だから、たぶん「最短距離」。そう思わせといてっ。
私は、いつもと正反対の意味で「涙目」になりながら、「図書館」の玄関をくぐったのだった。

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実はこのお話には「後日談」があります。
あっ、同じ日のことだから、後「日」とは言わないね。
帰り道も、なんとかほぼ同じ道を(今度は目印を頼りにしながら)帰ってくることができて、
「やったぁーっ、私は本当は『方向音痴』なんかじゃないんだぁーっ!!♪♪♪♪」
\(≧▽≦)/
と、喜び勇んで駐車場に行き着いて、精算(もっちろん、タダよぉ♪)して、車に乗り込み、駐車場から出ようとして、……
「私はどっちに出れば帰れるの?」
駐車場に面している道路が2本あるじゃないのぉっ!!??
(ということは、4つの選択肢があるわけ(^^;)
切り返しを何度かして、わざわざ車を精算所が背になる向きにして、私は15秒ぐらい悩んでから、駐車場を出たのでした。
……
なんでじゃぁーっ???!!!
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01月26日(水)
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