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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■梅村みずほ議員の人権感覚について




 国会議員という地位にあるものは、とりわけ「人権」というものについて、正しく理解しておく必要があると思うのである。政治権力、あるいは法律の不備、政府の不作為によってその人権を侵害された人に対して、慎重に事実を受け止めた上で、決して自己の臆測で人を傷つけるような発言をしてはならない。それがオレの見解である。

 入管に収容されたまま適切な医療措置を受けることもなく、入院もさせてもらえずに殺されたスリランカ人のウィシュマさんに対して、「支援者が入れ知恵をして期待を抱かせた」等と発言し、彼女の死の原因を「ハンストの可能性もある」と臆測して、それを国会の場で発言し、さらに「信念を持って発言したから撤回しない」と語るその価値観はどこから来るのか。ここからはオレの臆測になってしまうのだが、彼女が「維新の会」という「ウソとデマでまとめあげた反社組織」のメンバーであることと深く関係すると思うのである。

 維新議員にとって大事なものとして「維新スピリッツ」という価値観がある。「先輩議員(党内で序列上位)には絶対服従、橋下徹は神」であるとか「選挙時のウソはOK(BY馬場代表)」とかである。彼女は過去にこの維新スピリッツに影響されたような発言をしている。例えば梅村議員は「共同親権推進」の立場で活動する一人なのだが、「虚偽DV」という主張をしておられた。女性が夫からDVを受けたという申告の中にはかなりの虚偽DVが混じっているというのが彼女の主張である。つまり、「女性が嘘をついていることが多い」という立場なのである。彼女はどのような根拠でこのようなことを主張するのであろうか。離婚にいたるようなケースで女性がDVや虐待を受けたと主張し、男性がそれを否定する場合、嘘をついているのは圧倒的に加害者側の男性であるというのがオレの感覚である。

ここからは一般論なんだが、「自分がよく嘘をつく人は、他人も同じように嘘をつくものだと考える」と言えば、みなさんはすぐに納得するだろう。梅村みずほ議員がウィシュマさんについて「詐病」に言及したのは、自分が自己を有利にするためにウソをつくように、もしかしたらウィシュマさんも支援者の入れ知恵で詐病を行ったのかも知れない。食べられないのではなくハンストだったという考えに梅村議員は至ったのである。

 「人は自分を有利にするために嘘をつくものだ」という彼女の価値観は、以前に彼女の政策秘書であったあの成松圭太が起こした事件でも端的に現れている。飲酒して車を運転し故意に人をはね、そのはねた相手をさらにどつきまわすという行為を警察が「殺人未遂」と判断するのは普通のことだ。結局被害者が告発を取り下げたことで不起訴処分になるのだが、普通なら自分の秘書が迷惑をかけたということで被害者にお詫びするところなのに、彼女は「たいしたことではないものを被害者が大げさな事件にした」という捉え方だったと記憶する。つまり「被害者が嘘をついている」という捉え方である。そこが首尾一貫しているとオレは思ったのである。

 政治家という権謀術数の世界で、正義や正直を貫けば勝てないのかも知れない。山本太郎さんのれいわ新選組の支持が広がらないのはそういうことであるとオレは思っている。選挙の度に「大阪は私学完全無償化達成」などのウソやデマを大量にばらまいて勢力を拡大してきた維新の会を見れば、政治の世界なんてウソでもこれだけ有権者を騙せるチョロいもんであることがよくわかる。大阪では知事選で吉村に投票する馬鹿を244万人も作り出せたのである。維新の幹部連中が「ウソの効用」に酔いしれるのも納得である。

 だからといってその自分たちの価値観を国会の場で、しかも亡くなった人に対してぶつけてしまってよいものだろうか。少なくとも国会議員という立場にあれば発言には慎重さが求められると思うのだ。まだ当選1期目のペーペーである梅村みずほ議員がその発言をすべて自分で考えたものではなく。党幹部の指示で動いてるのならそれは維新の会の党としての統一見解なのだろう。公明党や立憲民主党からは梅村議員への批判が起きたが、維新の会の内部からは梅村発言を問題視する見解はない。党としての発言だったとオレは受け止めている。


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05月17日(水)
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