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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■武富士を倒産させたのは誰か?
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 サラ金各社は過払い金の返還に応じないといけないので大変である。長く営業している大手ほどこの過払い金は多いわけで、武富士の抱える過払い金も莫大な金額であった。武富士の幹部にしてみれば「なんでそんなもん返さんとあかんねん」と思っていただろう。創業者一族にとっても迷惑な話である。武富士の創業者一族といえば、前会長の長男が1600億円分の武富士株を贈与されたのに日本に居住していないということで贈与税(相続税)を免れようとしたことがあった。

 贈与税は納税義務者(贈与を受けた者)が財産をもらった時に、その者の住所が国内にあるか否かにより適用が異なる。納税義務者の住所が国内にあれば、贈与された財産の所在が国内であっても国外であっても贈与税が課税される。しかし、納税義務者の住所が国外にある場合は、贈与された財産の所在が国内にあれば贈与税が課税されるが、国外にあれば贈与税は課税されない。1600億円分の武富士株は一度オランダの子会社に売却されて国外に移動し、それから香港に住む長男に贈与されたのである。こうして課税を逃れたのだ。

 大金持ちの中にはこの贈与税の仕組みを使って巧妙に「節税」する者が多かった。つまり子どもを海外の大学に留学させ、そして親が海外の不動産を購入してそれを子に贈与するのである。そうすれば贈与税も相続税もかからないことになる。この節税方法はかなり広く行われていたようで、それを排除するために2000年に4月1日に税法が改正されてルールが変わった。

 改正後は、贈与を受ける者の住所が国外にあっても、その者が日本国籍である場合は、5年を超えて住所が海外にないと、たとえ親から国外にある財産を贈与されても贈与税が課税されることになったのだ。さすがに単なる節税目的で5年以上海外に居住するというのは面倒である。武富士前会長の長男の場合、その贈与が税法改正の直前だったということと、香港での居住実態がなかったということで脱税ととらえられて1300億円が追徴課税された。確かこの件はまだ裁判所で係争中だったと思うのだが、そのときは1600億円の価値があった武富士株も今は倒産で紙切れである。それでも当時の時価である1300億円は追徴課税されるのだろうか。会社更生法の申請で紙切れになった武富士株を「物納」で差し出すことになるのじゃないだろうか。

 貸し出し金利が制限され、過払い金を返還させられ、サラ金各社はどこも経営状態が悪化した。「プロミス」や「アコム」のように大手都市銀行の系列下に入って生き残りをはかるところも出たが、バックに都市銀行を持たないで海外からの投資資金に依存していた独立系の武富士は苦境に陥った。昨年暮れからは武富士は新規の貸し出し業務をほぼ停止して資産の売却などで経営再建を図っていたはずである。しかし、武富士の狙いはどうやら別のところにあったようである。資産の流出を食い止める一方で過払い金の返還をできるだけ遅らせた武富士は突如会社更生法を申請してきたのだ。

武富士過払い金、返還額カットも 弁護士ら懸念2010年9月27日14時
 消費者金融大手の武富士が会社更生法の適用を近く申請するというニュースを受けて、過払い金返還の問題に取り組んできた弁護士や支援団体からは、影響を懸念する声が上がった。
 利息制限法の上限を上回る「グレーゾーン金利」の条件を厳しく判断した最高裁判決が2006年に示されて以来、こうした利息を返還してもらう訴訟は急増してきた。しかし、会社更生法が適用されれば、手元に戻る額はカットされる可能性が高い。木村裕二弁護士(東京弁護士会)は「武富士に利息を払いすぎたまま、返してもらっていない人はたくさんいる。公平に確実に債権を返済してもらえるかどうかが大きな課題だ」と話した。
 新里宏二弁護士(仙台弁護士会)も「借りた人たちにとって、過払い金は生活再建のために必要で、影響は大きい」と指摘。いまだに利息過払いに気づいていない人も多いという。

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09月29日(水)
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