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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ハメこまれた人たち18(日本航空2)
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過去のハメこまれた人たちシリーズ
2006年6月30日に日本航空は2000億円規模の公募増資を行った。新規に発行される株数は7億株を越える予定で、すでに発行されていた株数の4割近かった。それだけ株主価値が希薄化するわけで、既存株主の猛反発が予想されるこの大規模増資を株主総会の2日後に不意打ちに実施した日本航空のことを、オレはなんというひどい会社だろうかとあきれたのである。そんなひどい会社の株は絶対に買ってはならないとオレは思ったのだ。その時、まだ日本航空の株価は270円くらいだった。赤字のためにすでに無配に転落していたが、株主優待で航空券が半額になるチケットがもらえるということで株価は下支えされていたのである。
しかし、それから3年半も持たずに日本航空は破綻することになるのである。せっかく増資によって得られた資金も焼け石に水だったのである。再建のために必要だったのはそんなはした金ではなく、徹底的にリストラを行って赤字体質をなくし、もうかる会社にすることだった。しかし経営改革は進まず、赤字はそのまま垂れ流されたのだった。大型機中心の機体運用を燃料費の高騰が直撃した。その上度重なるトラブル続きで乗客離れが進み、2005年度には国内旅客数で全日空に抜かれ、その後もじり貧だった。2009年に入って200円を割った株価はそれからもじりじりと下がり続け、、2009年10月18日の終値は98円とついに100円を割り込んだ。しかしまだこのあたりで損切りできた株主たちは幸運だったのである。増資による値下がりの痛みに耐えた株主たちは、「いつかは値上がりする」というありえない夢を追い続け、その3年半後には持ち株が値上がりするどころか紙くずになるという最悪の事態を迎えることとなったのだ。
西松社長は必死でそんな日航を建て直そうとした。YOUTUBEでも彼の奮闘が話題になったほどである。社員食堂でランチを食べ、電車やバスで通勤するという彼の日常は、公的資金を要請するために自家用ジェット機でやってきた自動車大手ビッグスリーの首脳と対照的だった。しかし、社長一人が倹約したところで、会社の体質が改まるわけもなかったのである。
世界的な景気悪化でビジネス需要が激減する中、せっかく上向きかけた業績は再び悪化し、大幅な赤字は避けられない状況となった。2009年の第一四半期には990億円という過去最大の赤字を記録し、再建のために産業活力再生特別措置法にもとづく公的資金注入も検討され始めた。そこで問題になったのは。将来に渡って日本航空が支払い続けないといけない巨額のOBへの企業年金だったのである。大幅な赤字と、運用の失敗で年金の原資もかなり毀損している。もしも予定通りの年金を支給しようとしたら莫大な額が不足するのである。そうなると話し合って減額するしかない。しかし、OBの多くは退職時に一時金をもらう代わりに長期にわたって年金を受け取ることにしていたのだ。ここで年金が減額されれば退職時の約束を会社が履行しないということになる。ただ、公的資金で救済するとすれば、そのお金がOBの年金に回るというのは国民が納得しないだろう。もしもOBの同意が得られなかったらどうなるのか。
再建されるという期待で12月に入ってから100円台を回復していた株価は大納会に近づくに連れて再び「破綻懸念」で下げた。ラスト3日間の株価終値は96円、88円、67円で、30日には瞬間的に60円の最安値を記録した。日本航空の破綻を予想する多くの個人投資家が空売りをした。そして日証金の貸株残高が6000万株を超えるという大量の空売りがされた状態で年を越したのである。大納会に向けて大きく下げた理由は、藤井財務相が「日本航空」向けの融資に政府補償を付けない方針を明らかにしたからである。
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01月14日(木)
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