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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■その賠償金は安すぎるぜ!
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2ちゃんねるなどの匿名掲示板に個人情報を書き込まれ、そのためにイタズラ電話などの被害を受けるような事件の場合、その書き込みをした外道に対して裁判所が賠償を命じることがあるのだが、その金額は驚くほど安い。もしもオレがそうした嫌がらせを受ければオレは10億円くらい要求したいのだが、裁判所が認める金額はせいぜい10万円くらいだろう。ネットの上に書き込まれた情報は転載されてぐるぐると世界を回り続ける。一度書き込まれて誰かのパソコンのHDDに保存されたものを削除することは不可能だ。回復不可能な犯罪だからこそ、その賠償は高額であるべきである。それなのに裁判官はボンクラばかりでちっともわかってないのである。たとえばこういう事件はどうか。アサヒコムの記事を引用しよう。
「ヌード撮影受ける」と書き込み 元派遣社員が上司提訴 2008年12月16日8時49分
嫌がらせをしていたのは、派遣先企業の男性上司(41)だった――。勝手に名前を使われ、インターネットの投稿サイトにヌード撮影に応じるかのような書き込みをされた元派遣社員の女性が、投稿者はこの男性だったことを突き止め、男性と派遣先企業に750万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こしたことが15日わかった。
提訴は11月末。訴状などによると、女性は三菱電機システムサービス(東京)の名古屋市内の事業所に派遣されていた。3月、仕事上の相談を男性とは別の上司にしたところ、男性は一方的に態度を急変させ、女性を無視するようになったという。
女性が職場責任者に相談した数日後、男性は投稿サイトに女性の名をかたって、携帯電話番号と「ヌード撮影全般お受けします」との文言を書き込んだ。女性のもとに、撮影や売春を持ちかける電話やメールが殺到したことから、書き込みがわかった。
女性は、投稿者が利用していたプロバイダー会社を相手取って、投稿者の名前などの開示を求める訴訟を起こし、7月、同地裁が開示を命令。女性は男性を愛知県警に告訴し、名古屋簡裁は9月、名誉棄損罪で罰金20万円の略式命令を出した。
会社側の責任について、女性側は「男性の行為を確認したり指導したりせずに、女性を孤立させて退職に追い込んだ」と主張。これに対し、同社担当者は「男性の違法行為を確認し、懲戒解雇処分とした。訴状が届いたばかりで詳しい話はできない」と言っている。(川田俊男)
この事件は、女性に冷たくされたことを逆恨みした馬鹿が起こした個人的犯行であると同時に、職場に於ける派遣社員へのセクハラ行為の一種であるとも言える。そういう意味ではここで名古屋簡裁の出した「罰金20万円」という金額は、このクソ男の個人的行為に対する分だけにしか思えない。そのクソ男を雇用した企業としての責任、職場内でセクハラが起きないように努力しなければならないという企業の側の責任がすっぽりと抜け落ちた判決になっているような気がする。
会社側は「懲戒解雇処分にした」ことで幕引きにしたいようだが、その前にこの女性を退職に追い込んだことを謝罪すべきではないのか。そして彼女が本来得べかりし報酬分を会社からの賠償金として支払うべきではないのか。裁判官がそのことを命令しなかったことがオレにはとうてい納得できないのである。
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12月17日(水)
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