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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■アメリカの自動車産業は全滅します
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会社が大赤字を出していても、自分は桁外れの報酬を平気でもらうのがアメリカの企業である。その大赤字の責任が自分にあるということもわからないから、平気で報酬をもらえるのである。そんな企業を救済してやる必要があるのだろうか。オレはアメリカの自動車産業ビッグ3は全部倒産させるべきだと思っている。経営者が揃いも揃って自家用ジェット機で公聴会に乗り付けたその危機意識の薄さもさることながら、この期に及んで自分は報酬をもらいつつ会社は救済してもらいたいと主張しているのだ。こんな経営者にTOPに君臨されている労働者たちがオレは哀れでならないのである。日経新聞のWEBサイトの記事を引用しよう。
フォード、CEOの報酬削減に抵抗 米紙報道
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は27日、政府に資金支援を要請している米自動車大手フォード・モーターが、支援条件の一つであるムラーリー社長兼最高経営責任者(CEO)の報酬カットに抵抗していると報じた。12月2日までに提出する再建計画の内容次第では自動車大手の支援法案を巡る議会審議が難航する可能性もある。
同社の報酬委員会は今週の情報開示の中で、ムラーリー氏の報酬見直しに言及しなかった。フォードは2007年に27億2000万ドル(約2600億円)の損失を計上したが、ムラーリー氏は同年に2167万ドル(約20億7000万円)の報酬を受け取ったという。
ビッグスリー(米自動車大手3社)首脳を呼んだ先週の議会公聴会で議員に「報酬を年1ドルに減額する覚悟はあるか」と問われた際、「進んでそうする」と答えたクライスラーのナルデリ会長と対照的に、ムラーリー氏ははっきり応じなかった。(ニューヨーク=米州総局) (12:01)
2007年にフォードは2600億円の赤字を出しているのに、ムラーリーCEOは20億7000万円の報酬を受け取っていたというのだ。赤字額の1%に迫る金額の報酬である。こんなふうに会社を自分の財布としか思っていない経営者がいるから今のような事態に至ったのである。フォードよりももっとひどいのがGMだ。確かGMは去年に単年度で4兆円くらいの赤字を出していたはずである。製造業がそんな赤字になるようではもうだめなのである。立て直すのは不可能だ。それを立て直そうとしてゼニをつぎ込んでも全部死に金になるだけだ。もうこんな企業は倒産させて、一度リセットするしかないのである。構造的な赤字体質が解消しないところに当座の運転資金となるゼニを与えたところで、そのゼニがなくなればまた苦しくなるわけで、単なる延命にしかならない救済策ならやらない方がマシだ。もっともそれを決めるのはブッシュやオバマであり、彼らがどんな目算を持ってるかはわからないのだが。もしかしたらオレがあっと驚くような救済の秘策を隠してるのかも知れないのだが。
日本人的な感覚なら、たとえば籠城した城の総大将が「自分は切腹するから部下の命を救って欲しい」と降伏した高松城の清水宗治なんかの話を美談だと思うだろうし、自分の報酬をタダにして私財をなげうってもいいからなんとか会社を救いたいという経営者がいてもおかしくない。自分の生命保険で会社を救う社長もいるかも知れない。もちろんそれが良い方法であるとは言わない。しかし、少なくともこの「会社が倒産しても自分の報酬はがっちりとる経営者」というのは批判を受けても仕方がない。それで国に救済を受けようとするのだから理解を求められなくても当然である。フォードはさっさとつぶせと思うのである。
アメリカのビッグ3が倒産しても・・・別に誰も困らないだろう。その分のシェアは日本車がかなり奪いとれるわけで長期的には好材料だ。ただニューヨーク市場はGMが破綻すれということになれば一日に500ドルくらい暴落するかも知れない。
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11月29日(土)
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