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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■我が国に言論の自由はあるか?
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アパグループの主催した懸賞論文に「過去の日本の侵略行為や植民地支配を正当化する」内容の論文を発表したという理由で田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長が更迭された。そのニュースに接してオレが感じたのは、日本には言論の自由もないのかという気分であった。民主主義国家でありながら日本を支配するのは、未だにムラ社会的な論理であり世間体というモノの考え方である。もっともそれはオレにもあてはまるわけで、教師という職業をしている以上オレの暴言には一定の自主規制が存在するわけだ。
もしもオレが全くの自由業であり、莫大な資産を所有していて働く必要もないのならばいかなるものにも縛られることがなく自由に発言し暴言を吐きまくるだろう。しかし残念ながらオレは一人の教員でありその立場である以上「言ってはならないこと」というのが多数存在する。もしもオレがただのニートならばなんでもないような発言であっても、こんな職業に就いているために「教師にあるまじき暴言!」ととられてしまうのである。なんて肩身の狭い存在なのだろうか。かつて公立学校を退職して大阪府の公務員であることを辞めた時に少し自由になれたような気がしたのだが、それはただの幻想でありオレは相変わらずさまざまな自主規制のワクの中で生きているのだ。もしもオレが「授業妨害するようなクソガキどもはその場でぶちのめせ!」と書いたとしたら、たちまち「あなたは体罰容認派ですか?だったら教育委員会に訴えます!」というメールが山のように届くだろう。つまり、教育に関してオレは現在の文部科学省の方針に積極的にさからうことはできないのである。
現在の教育行政に対して、そして教育システムそのものに関して、あるいは教育を囲むマスコミ、受験産業に対してオレは言いたいことが山ほどある。しかしその多くは「教師にあるまじき暴言」であり、言ってはならないことなのである。オレがそれを自由に語れるようになるのはおそらく教師を辞めてから何十年も経って関係者がほとんど死んでしまって、それでもオレが奇跡的に長生きしてもうこの世に思い残すことがなんにもないという状況になってからはじめて昔話として語れるのだろうか。もうそのときにはすっかり手遅れになって、日本の教育は完全に壊滅してしまった後かも知れないが。
田母神論文についてオレが感じたことは「このような主張をしている方は他にもいるが、なかなかよくまとめられた完成度の高い内容じゃないか」ということだった。その内容が正しいかどうかということは問題ではなくて、こういう見解もあるんだなとという感想だった。少なくともこういう論文というのは善悪や正誤を問題にするものではないだろう。歴史認識というのは人によって違うし、時代によっても違う。オレは自分の考えを人に押しつけるつもりはないし、人の考えをそのまま鵜呑みにすることもない。田母神氏の主張が100%正しいとは思わないが、100%間違いだとも思わない。
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11月09日(日)
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