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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■橋下知事、あなたは間違っている!
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 橋下知事は大阪府の財政再建のために私学助成の大幅削減を行うという方針を示した。さて、私学教員であるオレはこの問題の当事者の一人であるわけで、このことに関して橋下知事を「この野郎、助成金を減らしやがって!」と罵倒するのは簡単だが、実は問題は別のところにあるのだということをわかって欲しいのでこの記事を書くことにする。その前にこの勘違い満載の記事を見て欲しい。アサヒコムの記事からの引用である。

橋下知事、高校生と熱く議論 財政難訴え「皆で我慢を」 2008年10月24日
 大阪府の橋下徹知事は23日、府の財政再建策で私立学校への助成を削減したことなどについて、府内の高校生12人と意見交換をした。財政難を訴えて「みんなが我慢しないと借金はなくならない」と熱く語り、府職員が止めるのを制止して、20分の予定を1時間以上延長して「本気トーク」を繰り広げた。
 私学助成の削減案を知り、公立と私立の高校生らが4月に結成した「大阪の高校生に笑顔をくださいの会」が要望して実現した。まず、中学でいじめに遭って不登校になり私立に進んだ女子生徒や、母子家庭で家計を心配する私立の男子生徒らが「安心して勉強させて」と訴えた。すると、知事は「借金してばらまくのは簡単。でも5年後10年後を見据えてみんなで我慢する」「高校には全員がいく仕組みじゃない。(高校とは)別の選択肢もある」と応じた。
 高校生らが「公立は定員があって落ちる子もいる。見捨てるんですか」と詰め寄ると、知事は「義務教育までは平等に扱う。その先は定員があってずっと競争。それが世の中の仕組みだと自覚しないと」と答えた。
 また、無駄な道路整備などでなく教育に税金を回すべきだという女子生徒の話には、知事は腕を組んで聴き入り、「あなたが政治家になって変えればいい」。女子生徒が「それじゃ遅いんですよ」と涙をみせても、「必要か不必要かは最終的に政治判断」と返した。 次の予定があるため議論を途中で打ち切ることになると、橋下知事は申し訳なさそうに、「次もまたやりましょう」と約束した。

 橋下知事が財政再建のために「みんなで我慢を」と主張することは確かに正論である。しかし、その我慢を押しつけられるのは必ずしも「みんな」ではない。たとえば府会議員の報酬はなぜ豪快に下げないのか。議会の反発が怖くてこんなところには手を付けられないのだろう。一教室あたり600万という公立高校クーラー設置費用の疑惑などは放置なのか。その問題について告発してるのはオレのこの日記くらいである。おそらく業者からのリベートが府の職員に渡ったり、口利きをした議員のフトコロにそのぼったくった600万のうちのいくらかが消えてるのだろう。無駄に使われた数十億のゼニのうちから、少しでも取り戻せばどうだ。もっともこの不正には多くの府会議員が関わっていそうだから手が付けられないと思うのだが。

 もしも大阪に私学が一つもなくて、すべての定員を公立で賄わないといけないとすれば、どれだけの支出増になるだろうか。公立高校の場合、生徒納付金だけではとても運営できないので府からの持ち出しが多くなるわけで、教員の数はクラス数の倍くらいだから生徒18人あたりで教員1名くらいの計算になる。教員一人の人件費を年間600万とすると、それを18で割るわけだから約33万だ。もっとも学校にかかる経費は人件費だけではないから一人あたり50万として、生徒から徴収する学費は大阪府の公立高校の場合は年間に14万4000円だからその差額、つまり一人あたり35万円ほどは公費(大阪府のお金)で補助されているのである。ところが私学助成金は生徒一人あたりその半分くらいだろう。公立がすべての生徒を丸抱えするよりも、私学に生徒を通わせて助成金を出す方が実際は安くつくわけだ。


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10月25日(土)
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