ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18825753hit]

■オレは浅間山の火口をのぞき込んだ!
ブログランキングの投票いつもありがとうございます。クリックすれば今のランキングが何位かを確認できます。


 オレは大学3回生の秋、浅間山に登った。同志社大学に通う岐阜県出身の友人と二人で信州をクルマで旅行していて、峰の茶屋にクルマを置いて浅間山の山頂に向けて歩き出したのである。それはかなり無謀な行為だったかも知れない。4時間もあれば往復できるだろうと軽い気持ちでどんどん登ったのである。手前にある小浅間山のところまではけっこう登ってる人がいた。しかし、そこから浅間山に向かう登山道を歩く人は自分たち以外いなかった。それも当然である。火山活動は激しいので火口より2q以内は確か危険のため立ち入り禁止となって、立て看が出ていたからである。

 オレたちと同じようにその登山道を登ってきた外国人のグループがあった。彼らはその「登山禁止」の日本語表示が読めないのでオレたちに質問してきた。そこに書かれたことを翻訳して答えてやると、彼らはニヤリとしてそのまま無視して登り始めた。そのうちの一人は「日本語だからわからなかったことにしよう」などという意味のことを言って仲間を笑わせていたのである。オレたちはそこで登山を中止するわけにはいかなかったのである。ここで外国人が登ってるのに日本人の自分たちが引き返せば、それは日本男児の勇気のなさが舐められることにつながるのである。日本国の威信をかけて自分たちは登らないのといけないのである。オレたちもペースをあげてずんずん登りだしたのである。結局浅間山へと続く登山道を登りだしたのは自分たち二人と、その4人連れの外国人たちだけだった。

 峰の茶屋から2時間もかからなかっただろうか。外国人たちのグループをしっかりと引き離してかなり速いペースでどんどん登ったオレたちは浅間山の火口のふちに立った。大きな穴をのぞき込むと、中からは地響きのような地鳴りのような音がしていて、噴煙が出ていた。その大穴をオレたちは二人でのぞき込んだのである。

 今ここで浅間山が激しく噴火し、火口からそのエネルギーを噴出すれば、火口のふちに立っているオレたちは間違いなく吹き飛ばされるか、火山弾の直撃を受けて死ぬかも知れない。そんな場所にオレたちはしっかりと立ったのである。そうして日本男児の名誉を守ったのである。死も恐れずに登るという勇気を見せつけたのである。ある意味、ただのアホだったのである。
 浅間山の火山活動の記事を読んで、オレはもう27年も前のことを鮮明に思い出していた。今もこの危険を冒して登ってみようとするアホがいるのだろうかと。

浅間山で小規模噴火 火口周辺規制継続 2008.8.10 17:48
 気象庁は10日、群馬、長野県境の浅間山で同日未明、ごく小規模の噴火が発生したと発表した。噴火は平成16年12月以来。被害は出ていない。
 噴火は10日午前2時37分ごろ、山頂火口で発生。噴煙が約400メートルまで上がったが、火山灰は観測されていない。午前2時34分から約3分間、火山性微動を観測したが、地殻変動に変化は見られないという。
 気象庁は8日、浅間山の火山活動が高まっているとして、噴火警戒レベルをレベル1(平常)からレベル2(火口周辺規制)に引き上げており、引き続き警戒を呼び掛けている。

 あの時、浅間山の山頂から見た360度のパノラマの景色の雄大さは今でも忘れない。自分が登った多くの山の中で、あの時に眺めた景色を上回るものはその後の記憶にはない。もちろん軽井沢から見上げる浅間山の勇姿もすばらしい。オレは信州が好きで何度も旅行してるのだが、信濃追分や軽井沢から見上げる浅間山の景色をオレはこよなく愛しているのである。
 いつか、オレはもう一度あの火口をのぞき込むことがあるだろうか。今は登山者に対してどのような規制が行われているのだろうか。

↑エンピツ投票ボタン。押せば続きが読めます。登録不要です。←1位を目指しています! m(_ _)m 

08月11日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る