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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■麻生さん、あんた株式投資したことあるのか?
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 「1円も使わずに株価を上昇させる!」と麻生太郎幹事長が語ったそうだが、オレはその発言を聞いて、頭の中が疑問符で一杯になったのである。だってこの発言は突っ込みどころ満載である。おそらく政治家は株式取引なんかみんな秘書に任せていて実際の取引のことはご存じないのかも知れないが、それにしてもどうやって非課税にすればいいのかとオレは思ったのである。とりあえず日経ネットの記事を引用しよう。

麻生氏、300万円までの株式投資「配当金を非課税に」
 自民党の麻生太郎幹事長は9日、札幌市内で講演し、経済対策の一環として証券優遇税制の拡充を検討していく考えを明らかにした。1人当たり300万円までの株式投資について配当金を非課税とする「証券マル優制度」(仮称)の創設を提案。証券市場の活性化策を講じ、株価上昇につなげるべきだと主張した。来年度税制改正の議論の大きな焦点となりそうだ。
 税制改正の基本方針は「貯蓄から投資へという流れを税制でやる」と表明。具体策として「1年間保有した株式の配当金を非課税にする」ことなども挙げた。同時に、住宅取得促進に向けた不動産取得税の減税や設備投資減税など、時限的な減税措置の導入も検討すべきだとした。
 麻生氏は税制改正について「政府が1円も出さずにできる(景気対策だ)」と強調。さらに「自分が首相になったらやりたいと思っていたが、とても待っていられない。やるなら今だ」と述べ、具体策の検討を急ぐ考えを示した。 (22:20)

 この「一人あたり300万円までの株式投資」なんだが、いったい何を基準にするのか。300万円というのは保有する株式の時価総額なのか。それはいったいどの時点を基準にするのか。株価というのは年中変動しているのである。ずっと同じ値段ということはありえないのである。たとえば12月末日に保有する株式の時価総額を基準にしたとしよう。多くの株は3月末に配当がある。配当の時期までに株価が上昇して倍の600万になったとしても非課税なのか。暴落しても税金を払わないといけないのか。そのあたりが実に不公平じゃないか。

 次にもらえる配当金の金額だが、銘柄によって配当利回りは全く違うのである。たとえば日本を代表するトヨタ自動車の配当利回りは8月11日時点で3.0%、新日本製鐵は2.04%だ。つまりちょうど300万円分トヨタ自動車株を保有していれば年間に9万円の配当金をもらえるという計算になる。ここから通常は20%の税金が源泉徴収されるので、残りの金額を受け取れることになるから7万2000円が実際の受取額である。(特例として、平成21年3月末までは10%の軽減税率となっているので8万1000円受け取れる。他にも細かい規定はあるがここでは省略する。)東証一部の高配当の銘柄としてはアーバンコーポレーションのように25.77%なんてところまである。(注:アーバンコーポレーションがここまで高配当になってしまうのは、倒産懸念で株価が暴落しているからであり、実際に配当金が支払われるかどうかは現時点では全く予測できない。)もしもアーバンコーポレーションの配当金が実際に支払われるとすれば、77万3000円もの配当金がもらえることになる。一律に非課税といってもその金額はピンからキリまであるのだ。また非課税によって軽減される税金といっても今10%のものが0%になるだけでほんのわすかな金額である。

 また一人で複数の証券会社を利用してる場合はどうするのか。証券会社ごとに300万円以下にしていくつもの証券会社に分ければ、合計金額は大きくても非課税になってしまうことにはならないか。きちっと名寄せはできるのか。


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08月10日(日)
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