ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18826118hit]

■高額スーツにだまされるな!
ブログランキングの投票いつもありがとうございます。クリックすれば今のランキングが何位かを確認できます。


 オレはいつも安物の服を着ている。普段着はユニクロで買うことが多い。スーツも安物だ。ダイエーやジャスコ、イズミヤなどで売られている吊しのヤツで、自分の体型にちょうど合うヤツを買っている。ジャスコにあるトップバリューのスーツは1万円ほどである。実は大学に入学したときに、オレの母親はオレを紳士服の店に連れて行ってくれて、そこで5万くらいするのをオーダーしたのだが、体型が変わったのでそれはもう着られなくなってしまったのである。そんな高価なスーツをその後オレは買ったことがなく、オレの仕事着は1万円くらいのスーツである。もっとも学校でチョークまみれになることを思えば、それで十分である。

 そんな貧乏人のオレにとって、この世に20万も30万もするスーツが存在し(本当はもっともっと高価なものも存在するのだが)、それを平気で着ている人がいるというのはなかなか信じられないのである。しかしこういう新聞記事を読むと思わず「あほか!」と思ってしまうのである。アサヒコムの記事を引用してみよう。

「人脈作りに」と高額スーツ商法 起業家の卵に被害2008年7月29日15時3分
 起業を目指す大学生が人脈作りに役立つと誘われ、20万円もの高額スーツを買わされる被害が、首都圏で相次いで起きている。友人に売れば報酬を出すと勧められた例もあり、被害の拡大を懸念した東京都や神奈川県が、若者に注意を呼びかけている。
 両都県の消費者センターによると、インターネットで交友関係を作る「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)」で勧誘されるケースが目立つという。
 SNSに「起業家志望」と登録していた都内の大学生の場合、SNSでの知人から「一流企業に勤める人と会える」と紹介されて都内の事務所を訪ねたところ、「社会人に会うにはオーダースーツが必要」と言われた。その場で約20万円でスーツを仕立てたが、「営業の訓練になるので他の人に販売してみよう」と指示されるばかりで、社会人の紹介はなかったという。
 別の都内の大学生もSNSで知り合った人から「1日に10万円稼ぐ方法がある」と誘われ、同様に事務所を訪れ、19万円のスーツの購入契約を結んだ。ところが、その場で「ビジネストレーニングになるので、とにかくアポをとれ。友人のアドレスを書き出せ」と指示されたという。
 6月下旬から都には同様の相談が15件、神奈川県に10件以上、千葉県にも2件寄せられた。都の担当者は「スーツ購入がキャリアアップに役立つとは考えにくい。購入の契約を結ぶ前に、冷静に考えてほしい」と話している。(大隈崇)

 高価なスーツを着るだけで起業できるなんてそんなことはありえないのである。これは「起業できる」という誘い文句で、ぼったくりのスーツを売りつける詐欺師たちの犯罪行為なのである。それにしてもその20万のスーツは、オレが着ている1万円のスーツといったいどこが違うのだろうか。どういう違いからその価格差が発生するのかとオレは思うのである。

 パソコンの場合の価格差はCPUの性能やHDDやメモリの容量、そしてどんな機能が搭載されているかなどという客観的に比較できる基準が存在するが、スーツの場合の価格差はいったい何が基準なのだろうか。素材の生地が高価なのだろうか。あるいは特別な縫製技術が用いられてるのか。有名デザイナーのデザインによるものだから高いのか。そういう違いはどこでわかるのだろうか。

 もしもスーツをみただけで高価なのかそうでないのかがわかるとするならば、オレのように安物のスーツしか持たない人間はいつも相手から「こいつ、貧乏人だな!」と思われてるのだろうか。もしもそうならかなり悲しいのである。

 ただ、上記の記事のケースは明らかに「ぼったくりスーツの押し売り」であると思うし、そのスーツが20万円の値打ちがあるという裏付けも根拠のないものだろう。その相手が20万円と言ったから20万円なのであり、基本的にそれは宝石や毛皮のデート商法とかお年寄りに50万円の布団を売る連中と変わらないような気がするのである。


[5]続きを読む

07月30日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る