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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■コアラのエサはなぜこんなに高いのか?
 コアラと財政難をどう考えるのか。人気動物投票で常にコアラがトップという名古屋市東山動植物園の橋川央・飼育研究主幹は「コアラを見たいと言う人がいる以上、ユーカリ確保にある程度のお金がかかるのは仕方ない。そこは運営する自治体などの考え方次第ではないか」と話す。(斎藤利江子)

 コアラがユーカリの葉しか食べないことは知っていたが、たかが葉っぱだと思っていたらそうでもないのである。こんなに高いと知って驚いたのである。以下に日本中の動物園のコアラのエサ代の一覧表を示す。




 さて、こうして並べてみると天王寺動物園の1頭あたり年間1500万円という金額は確かに高いが、もっと高いところもある。東京都の多摩動物公園では2300万円も掛かってるのだ。その一方で鹿児島県立平川動物公園は173万円、沖縄こどもの国は30万円と比較にならないほど安い。これはどういうことなんだろうか。オレにはユーカリ栽培農家がエサ代をぼったくっているように思えてならないのである。しかし、もしも農家に支払われてるエサ代がこれに比べて安いのならば、間に入ってる財団法人が中間搾取してエサ代をつり上げているということである。このあたりは調査してみると面白そうである。案外ニュースになったことで農家が「そんなにもらってないぞ!」と怒りだしたりして。財団法人が農家に丸投げしてるくせに、中間搾取はがっぽりという可能性も捨てきれないからだ。

 ほとんど緑のない大阪は日本で一番暑い街である。8月の平均気温は鹿児島よりも高いのである。そんなに暑いのになぜユーカリを栽培できないのか。ちゃんと工夫すれば大阪でも栽培できるはずだ。大阪の農家に協力を頼んで、6000万円のエサ代をせめて半分の3000万円に抑えられるように工夫できないのかと思うのである。天王寺動物園の園内に植えたらどうなんだろうか。園内緑化の一環として中でエサになる植物を栽培するということである。

 島根県にフォーゲルパークというフクロウをたくさん飼育している施設があって、そこでエサとして与えられてるのはヒヨコだった。オレは飼育係が隠しているエサの中味をこっそりとのぞき見して、血まみれのヒヨコがたくさん容器の中に入ってることに仰天したのである。こんな残酷なもの、とても子どもには見せられないと思った。ただ、肉食のフクロウのエサとしてヒヨコが活用可能ならば、卵を産まない雄のヒヨコはかなり安価に入手できるはずである。そのエサはなかなかの工夫だと思ったのである。

 オーストラリアではコアラのエサ代として年間にどれくらいかかるのだろうか。もしも空輸するのならもっと高く付いてしまうのだろうか。日本中のコアラを飼う動物園が共同購入すれば輸送経費も抑えられるのではないだろうか。そんなことをオレは考えたのである。一種類のエサしか食べないこうした動物を動物園で飼育するときに、何か他のエサで代用することは不可能なのか。ドッグフードみたいに固形化した「コアラのエサ」というものを作れないのか。もしもそういうエサを開発できれば日本中のコアラを飼う動物園にとって莫大な経費節減になるわけである。

 エサ代にこんな贅沢をしてるのは日本だけかも知れない。アメリカやヨーロッパの動物園がコアラを飼うときにどうしているのか。それも調べた上でもっとエサ代を安くする方法を考えるべきであるとオレは感じたのである。それにしてもあの珍獣が、そんなにゼニがかかる動物だったとは驚きである。

 追記:
 掲示板でエサ代の高さの理由についての指摘があった。委託先の団体の天下りの連中の人件費が高すぎるせいではないかということで、そのエサ栽培を委託されてるという財団法人「大阪市スポーツ・みどり振興協会」の事業会計報告書にリンクしておく。ここに大阪市の職員がどれだけ天下ってるのかはわからないが、表中の退職金引当金の金額の突出ぶりが気になるのである。役員報酬も過大である。そもそもこういう財団法人の役員にその報酬に見合っただけの仕事があるとは思えず、エサ代というのももしかしたら方を変えた公金の無駄遣いなのかも知れない。



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03月08日(日)
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