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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■きみは「ビッグイシュー」を読んだことがあるか?
 ところでこの「ビッグイシュー」を発行してるNPO法人には国からどれだけの支援があるのだろうか。オレはそれを少し心配しているのである。前は200円だったこの雑誌が赤字のために300円に値上げされてしまった。それは国からの支援が不十分だからではないのか。麻生太郎が総理になって、景気回復のためのバラマキ政策を考えてるようだが。どうせばらまくのならこうしてもっとも低収入の状況でがんばっている方々に手厚く行き渡るようにして欲しい。企業に補助金を出して最低賃金の引き上げを行うならば、そのゼニが制度を悪用する企業にだましとられるのではなくて確実にパートやアルバイトの労働者に支払われるように厳正に運用して欲しいのである。

 たとえばホームレスの方が集めているアルミ缶の買い取り価格だが、政府が補助金を出して高く買い取るようにすればどうか。それで彼らの生活がほんの少しでも豊かになって、いつかはアパートや公営住宅に移って自立できるようになることを目指すべきだろう。株の売却益を非課税にするなどという金持ち優遇の税制を導入しても、金持ちどもはそうやって得たゼニを死蔵するか別の株に再投資するだけで、それは基本的に市場を循環しないゼニである。ところがホームレスの方が手にしたお金はすぐに消費に回る。ゼニというのはすぐに使われてこそ価値があるのだ。

 5万円というゼニを一人が1ヶ月ずっと持ち続けているよりも、それを最初に受け取った人がすぐに使い、順々にゼニが回っていって15人がそれぞれ平均2日ずつ持っていたとするなら。みんなが「今月は5万も入ってきてその5万をパーッと使ったよ!」という形で豊かさを享受できているのである。すぐにゼニを使ってしまう貧乏人の中をゼニがぐるぐる回るような仕組みを構築すべきなのだ。

 昔の商店街にはそれがあった。商店街の住人は自分たちが経営者であると同時に他の店にとっては客だったのである。豆腐屋は豆腐を売ると同時に散髪屋の客であり、散髪屋は魚屋の客であり、魚屋の子どもはおもちゃ屋でゼニを使う・・・というふうに自分の得た収入はすぐに他の仲間の売り上げとなり、順々に人々の間を渡っていくという形でみんなを豊にしたのだ。残念ながら今、日本の各地でこうした商店街はみなシャッター通りと化してしまっている。個人がスーパーやコンビニで使ったゼニはすぐにその本社や親会社に吸い上げられていく。地元にはほとんど残らないのである。もちろんバイトやアルバイトの給与という形でほんの一部は戻ってくるかも知れないが、全体から見ればほんのわずかである。

 たとえコンビニが賑わっていても、もうかってるのは売り上げの数%が確実に収入になるその親会社だけで、現場で働く店主たちは過労死寸前の過酷な状況に追いつめられている。一昔前なら循環してみんなを豊かにしたはずのゼニが、今はすぐに大企業に取り戻されてしまうのだ。そのカラクリにどれだけの人が気づいてるのだろうか。

 我々が「ビッグイシュー」を購入してホームレスを支援するとき、そのゼニはちゃんと販売員の方とその支援をする組織に確実に届く。雑誌を手渡すときにいつも販売員の方は満面の笑顔で「ありがとうございます」と言う。その程度のことでこんなに丁寧にお礼を言われると、かえって恐縮してしまうのである。どうかこの日記を読んだみなさんもぜひ通勤の時はエロ本ではなくて「ビッグイシュー」を買って読んで欲しい。

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09月27日(土)
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