ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
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■高校選手権香川大会準決勝 香川西−寒川 丸亀−大手前高松
    3 八十嶋一斗 3年 167/66 FCコーマラント
   14 佐々原遼人
MF  5 福家正貴  3年 164/53 FCコーマラント
    7 村上乃介  3年 173/60 FCリフォルマ
    8 滝平昴也  3年 171/62 FCコーマラント
    9 富田修成  3年 167/54 FCコーマラント
FW 10 片上椋太  3年 169/66 MFC高松
    6 冨家仁
   11 谷本将虎  3年 166/60 FCコーマラント


注:大手前高松についてはスタメン情報いただいたので訂正しました。


私は発表されたポジションなど当てにしない。しかし大手前高松はホントにアヤックス式、あるいはクライフ式バルサの3−4−3だった。超攻撃的スタイルだ。リスクがあまりの大きいが、これは選手育成にかける信念の現れだろう。パスコースの多さを利してバックラインから徹底してパスを繋ぎサイドから仕掛ける。ロングスローまである。これに対し丸亀はここまで3試合1得点0失点2PK勝ちの数字通り超守備的スタイル。盾と矛の関係だ。サイドを破られても強烈な横圧縮で中のスペースを消す。FWも自陣に引き、バックラインが押し上げられない分、全体に下がってスペースを潰す。これでは丸高というより亀高、亀のように守る。ものすごい集中力だ。更にはGKが当たっており、今大会絶好調を維持していることをうかがわせる。大手前高松はどんどんパススピードが上がっていき、振り回しにかかるが引いた丸亀は運動量のロスを最小限に抑える。しかしカウンターが完全に孤立して全くシュート撃てない。ただPK戦になれば焦るのは大手前高松なので、攻めるしかない。更に20分にF村上→Pササキコウヨウ。そして38分、いきなり大手前高松G滝平が極端にスローテンポに。チェンジ・オブ・ペースが下手だと言われる日本人離れした遅さだ。そしていきなり右に展開しM佐々原の右クロスにファーポスト際でI片上ヘッドがさく裂し0−1に。

後半は攻めなければならない丸亀だが、ハーフタイムに大手前高松がM佐々原→Sユルヤマケイと代えたのに対し、どうも丸亀は選手層が薄そうで手が打てない。しかしゴールキーパーを中心に必死に耐える。後半24分、大手前高松G滝平の左ロングスローにB八十嶋ヘッド。0−2。そして丸亀Mシライワにラフで警告。そして後半32分丸亀Mシライワダイチ→Sトダケイスケ。
ベンチ「中田スタイルで行こう」。丸亀のベンチは面白い声をしばしば掛け、部が自由闊達な空気なのでは?と思わせる。大手前高松G滝平、J谷本→Qカワサキショウタ、Rマツダ。丸亀もD→Cカメヤマカンタ。0−2で終了。結局丸亀はシュート撃てずに敗退した。

丸亀について。凄い精神力でした。守護霊ついてましたね。大手前高松が幾ら撃ってもブロックに飛び込んだりセーブしたり。著名なヨーロッパの指導者が「フットボールとは攻撃だ」というのに対し別の著名な指導者が「フットボールとは守備だ」といったという。そのエピソードを思わせる。全員の意志を統一し守れば勝算が見えてくるということが分かった。

大手前高松について。この布陣が対丸亀スペシャルかは分からない。もし普段からこうだとしたら、高校サッカー界に革命を起こせるチームだ。過激なアヤックス式攻撃サッカー。誰もが憧れるスタイルだ。今までカップ戦で香川で勝った経験がないのが一抹の不安だが、力そのものは全国に出てもおかしくない、というより全国に出なきゃおかしい、というところまで来ている。決勝が楽しみだ。強くて魅力的なのは間違いない。

11月02日(土)
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