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サッカー観戦日記
by T.K.
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■プレミアプレーオフ マリノス−札幌 横浜FC−富山第一
だがハーフタイム以降様相が違った。つまり札幌がおかしくなった。いきなりミスからJ松田にこぼれキーパーと1対1、セーブ。53分(後半8分)、中でタメてマリノスJ松田またもキーパーと1対1、セーブ。56分、J松田、右手切り返しシュートは左に外れる。58分にはマリノス㉓津久井のシュート。これで札幌はJ湯浅E坂下→D菅野L中村。肝は守備のいいD菅野をボランチに入れてG本間の守備の負担を軽くすることだ。だがチーム全体の歯車が狂いどうにもならない。68分にはキックのいいはずの札幌GK@山本がG本間に繋ごうとしてカットされるなどゲーム感覚がおかしいのでは?と思われる点が多々出てくる。更にマリノス左からスルーパス、動き出しの良いPブラウンノアが倒されPK。これを自ら蹴るが左のバーに当てて失敗。札幌は69分、QM→IHをフォワードに入れてフォアチェックに行き、マリノスも78分、㉓津久井→Fをいれて攻め合う。以降札幌はS→P.マリノスは85分G→㉕.札幌は3トップに変更するが最後まで空回り。ロスタイム、マリノスは選手交代と見せかけ、やっぱりないです、などと狡猾な時間稼ぎ。主審もすかさず「1分追加します」。そしてJ→Nと交代し結局1−0でマリノスが勝利しプレミアリーグに昇格した。
まず富山第一の初の高校選手権全国制覇時について触れておきたい。あの時星稜は準決勝で京都橘と対戦した。京都橘は前年度全国準優勝(PK負け準優勝)であり、前回大会得点王の小屋松がいる。この小屋松はスピードと得点センスとテクニックに加え、中盤に下がって決定的パスを出せるという特徴がある。その前年度は仙頭とダブル得点王だったが、ともに引いて受けて決定的パスを出せて得点も出来るという持ち味を活かしあったコンビだった。仙頭が卒業し、小屋松はより自由度を増した。京都橘のフォーメーションは4−4−2で小屋松は下がるFWだ。それに対し星稜のフォーメーションも4−4−2。河崎監督は名ゼネラルマネージャー・タイプだが必ずしも名コーチというわけではない。若いころは石川県でも日本高校選抜を指揮した経験のある金沢桜丘の久下先生の後塵を拝していた。指導力で敵わないなら関西からのサッカー留学や環境整備など学校サイドのバックアップを取り付けゼネラルマネージャーとしての手腕を発揮して、またその頃に久下先生が県立校教師の宿命として転任されたこともあって立場は逆転した、という事情がある。星稜の4−4−2は普通小屋松みたいなタイプにはDFとMFがマークを受け渡して守る。しかしそこまで戦術的に熟成されたチームを作れる力のあるコーチではない。そこでマンマークのスペシャリスト・平田という中盤の選手を小屋松のマークにつけてどこまでも張り付かせた。この策が功を奏し星稜が勝利した。そして決勝である。富山第一には結果的にこの大会得点王になる渡辺(富山大に進学)がいる。フォーメーションは4−2−3−1の1トップ。河崎先生は準決勝で味をしめたのか、この渡辺に平田をまたしてもマンマークさせる策を採る。しかし渡辺は引いて受けるタイプではなく、徹底してバックラインの裏を狙うストライカーである。この選手に中盤の選手をマンマークさせるということは星稜のバックラインが5バック気味になり、1トップの富山第一を見るには余り気味になる。そして星稜の中盤は3枚になり、5−3−2のようで、中盤で数的不利になり、はね返しても次々にこぼれ球を拾われ、猛攻を受け続ける。つまりスタミナを消耗する。さすがにまずいと気づいたのか、ハーフタイムで普通の4−4−2に変更したが、スタミナの消耗は消せない。幸運にも星稜は2点先制したが、富山第一が運動量で優り、後半終盤の猛攻でPKを取り、そして2−2で迎えた延長では富山第一の前に星稜は手も足も出なかった。完全に戦術で富山第一が上回った勝負であり、星稜の采配ミスだったと思う。
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12月15日(日)
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