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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■緊迫した攻防でしょうか
仕掛けるとすれば。
敵が、
半ば無意識に応答する、
寝込みなのだ。
「ねぇ。」
「小坊主は誰が好きなの?」
真の意識を、
奪い捕る為には。
判断力を失いつつ在る、
寝込みが、
最適なのだ。
「小坊主の好きな人は。」
「何て名前なの?」
用心に、
用心を重ねても。
寝入り端には、
ふと、
高次の抑制が緩み。
眼前の女とは、
異なる名が。
口を吐いて出る。
けれども。
自身の防衛本能が、
辛うじて、
機能したのだろうか。
其の口から、
望む名が出る事は無く。
姫は、
更に追及の手を、
強めるのだ。
「小坊主の好きな人。」
「もう一人居るでしょう?」
一度では無く、
何度も、
何度も。
一瞬の隙が、
俺の口に顔を出す迄、
繰り返すのだ。
「違うよ。」
「その人じゃなくてもう一人居るでしょ?」
何か、
尻尾を掴んだのか。
其れとも、
不安の裏返しか。
姫は執拗に問い掛け。
自身の、
危機意識故か。
其れとも、
本心の想いなのか。
俺は、
眠りながら。
姫の尋問に、
娘の名を、
連呼し続けた。
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08月30日(水)
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