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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■口先だけで操る心算ですか
高く、
高く、
壁を築き上げる為に。


飽く迄、
土台から石を積み。

徐々に、
徐々に、
創り始めるけれど。




其の土台に、
隙間が生じれば。

護りの術として、
壁は、
役を全う出来無いのだ。





高く積まれた、
立派な壁自身の重みに、
耐えかねて。

土台が、
自壊して終うから。









築き上げて来た筈の、
信用に。

何処か、
隙間を感じたならば。


其の信用を、
何れだけ積み重ねたとしても。

感知した隙間から、
土台ごと、
崩れて終うのかも知れない。












家を出て直ぐ。

忘れ物に気付き、
家に戻ると。


姫は慌てて玄関先に現れ、
満面の笑顔で、
俺に口付けをした。



 「なんで戻ってくるのよ〜。」

 「忘れ物。」

 「半分吸っただけだからね。」
 「吸い込まないで口に含んだだけだから!」












子の存在を確認すれば、
吸わぬと、
言った筈の姫は。

煙草特有の匂いを、
紛れも無く宿して居る。






信用を失うのは、
一瞬で、
簡単で。

其の信用は、
記憶が消えない限り、
取り戻せないのだ。


其れは、
俺も同じ事だけれど。





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References
 Jun.25 2005, 「半ば投げ遣りなのでしょうか」
07月06日(水)
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