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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■本能で想って居ないと言う事でしょうか
予測と異なる、
或いは想定外の事柄が、
自身に生じた時に。
一時的に、
怒気と、
興奮と、
視野の低下を伴うのは。
人が生物故に、
否応無しに発動する防衛本能の、
副産物で。
決して、
芯の想いから産まれる物では、
無いけれど。
目の前の相手を、
敵視し、
迸りを喰らわせるのも。
飽く迄、
事実なのだ。
待ち合わせに成らぬ事。
予定を御破算にして、
再び、
仕事に戻らねばならぬ事。
直前の電話は、
予測の範囲外で。
防衛本能の中枢は。
其処に、
迎撃の準備と意識の集中とを、
強いたから。
苛々を増し、
無言に成り、
そして、
全く気付かなかったんだ。
だから姫は。
何時もの様に、
終業の合図を贈って来なかったのか。
「どうせ私と話すことなんて無いんでしょ。」
「もっと楽しくおしゃべりできる人と歩けば?」
「そうじゃなくて・・・」
「どうして怒ってるか。」
「気づかないの?」
「・・・あ。」
「せっかく行って来たのに。」
「今夜のために。」
姫は、
綺麗だった。
整った、
良い匂いの髪を、
風に靡かせて。
11月03日(水)
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