ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
[165366hit]
■狡猾が浮き出て居ますか
一瞬迷って、
一瞬躊躇して。
最終的には、
其の言葉を言わずに、
仕舞い込む。
受話器越しに伝わる、
其の行為を。
何度か繰り返したから。
其の場には。
「一緒に祝ってやろうか?」
俺からの、
其の一言を待ち望む、
言葉の欠片が。
撒き菱の様に、
鏤められて居たけれど。
其の剣先を、
飽く迄あしらい捌くだけで。
全て、
相手に下駄を預け続ける。
其れでも。
「時間作れるなら。」
「一緒に祝ってあげたいんだけれど。」
真の理由を伝えずに、
偽の理由を捏ち上げて、
舌を出した俺に。
「いつか何かのお祝い、」
「一緒にできたらいいな。」
飽く迄、
純粋に菱を捲き続ける、
彼女の方が。
互いの力関係を。
きっと、
良く見極めて居るからだろう。
わかりやすい、
潔いし、
自分を偽らないし、
正直だし。
でも、
ずるがしこい。
彼女の言う、
俺の其の寸評は。
妙に的確だ。
07月25日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る