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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■聞き上手でしたか
良い日和の中、
散歩がてらの近況報告も悪くない。
そんな腹積もりは、
瞬時に何処かへ飛び去って、
跡形も無くなった。
「じゃぁ、そっちに行ったら。」
「ちゃんと抱いてよね。」
僅か二月前に、
冗談混じりで届いた筈の文が。
既に役立たぬ情報しか持たぬ事を、
悟ると共に。
「彼の許可が出たから。」
さっき届いた此の、
彼女の一言は。
消極的な目的を、
積極的な目的へと変貌させるに、
十分だった。
離別の理由と、
其の決定打。
息子との関係と、
其の相性。
生ずる苦悩と、
其の解決法。
年齢も、
家族構成も、
姫に酷似した彼女だから。
聞かねばならぬ、
機会を逃せぬ、
理由が在る。
けれども。
其の想いは、
問う立場と同時に、
答える立場も要求するのか。
缶麦酒片手に、
眼前の桜をぼんやりと観ながら。
花見の彼女の問いに、
一つ一つ、
解答を探して答え。
少し危険な匂いを身に纏う雄に、
惹かれ始めた友人の。
「今度会うときもしか泣いてたら。」
「なぐさめろよ。」
不安の欠片に。
「今度会ったときにも。」
「幸せな笑顔見せてね。」
精一杯の応援を、
贈りながら。
少し後悔した。
満開近くの桜の姿は、
あくまで携帯の中の夢物語で。
気が付けば。
桜の姿も、
俺の欲した解答も、
何の記憶も残って居ないんだよ。
03月28日(日)
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