ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
[165404hit]
■先導を買って出てくれるのか
同僚が。
「小坊主、話あるんやけど。」
他者では無く、
敢えて俺を指名した事から。
身近な友人では無く、
未だ深く語り合った事も無い相手を、
選択した其の雰囲気から。
彼の伝えたい話の全容を、
殆ど全て理解して。
「俺に言う事じゃないでしょ。」
浮かんだ最後の言葉に、
慌てて蓋をした。
何度と無く、
意図を交わし合い。
其れでも尚、
相互理解に至らぬ事が、
多いのに。
何の前触れも無く届いた、
僅か最初の一言で。
何故。
お互いの共通理解が、
最終局面に飛んでしまうのだろうか。
物理的な距離や、
想い描く距離や、
其の過程や、
自身に巣喰う想いが。
殆ど同様な状況下に、
居る事を。
お互いがお互いに、
感じて来たからなのか。
其れとも。
俺が只、
其の言葉が手に入る事を、
渇望して居るだけだったのか。
「小坊主、話あるんやけど。」
「別の職が決まってな。」
「良かったじゃん!」
「一緒に住むんだ?」
「おお、住む住む。」
「おめでとう!」
「結構待たせとるしな・・・。」
俺には未だ。
呑みに行こうと彼に伝える力しか、
備わって無いよ。
03月04日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る