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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■略奪品は匂いますか
産まれた嫉妬心が、
自身にとって、
決して負の想いでは無いとしても。
更に露わな怒りが、
極々自然に発生し得る想いだとしても。
「良いなぁ!」
「ずるい!」
執拗に喰い下がる想いを、
静かに、
緩やかに、
沈めて行く為に。
例え其れが、
有効な選択肢だとしても。
想いが手元から奪われて行く事に、
違いは無い。
其れでも。
周囲の感覚が、
通常の嗅覚刺激と異なる情報を放つ事に、
いち早く気付き。
其の情報を、
嗅ぎ回り、
嗅ぎ回り、
目一杯仕入れる様にして、
眠りに付くのなら。
其れが最小限の償いで、
其れは最大限の土産と成る可能性を、
秘めて居るかも知れないんだ。
僅か二日。
もし時間単位に基準を遷せば、
一日分にも満たない期間が。
二人に与えられた時間だとしても。
濃密な時間を過ごし。
そして染み付いた匂いが、
強く、
鮮明に、
残される物だとすれば。
半年近くの時間を共に過ごした物に、
宿る匂いへ。
更に強く、
更に鮮明に、
残り香を振りまく宿命を、
背負わせても構わないよね。
もし貴女から、
俺の匂いが消えてしまっても。
「お母さん・・・」
「小坊主の匂いがする・・・」
俺の匂いを胸に、
眠りについた小さな彼へ。
「お母さん。」
「これ小坊主の匂いがする。」
小さな彼が、
貴女の手から奪った其の熊の人形が。
きっと、
御休みを伝えてくれる。
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References
Jun.18 2003, 「必要な秘密でしょうか」
12月15日(月)
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