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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■日常から丹念に拾い出せますか
雑多に積まれた、
封筒の束から。
無造作に積まれた、
振込通知や引落通知の山から。
明らかに感触の異なる紙質を、
一枚抜き取る。
「何時だ?」
数日前か、
数週間前なのか。
如何程昔の事であったか、
想い出す迄に、
其れと同じ位の時を刻まねば、
記憶を取り出せないかの様な錯覚に陥る。
「何時の事だ?」
何日前の出来事が、
其処に書かれているのか。
記憶を巻き戻そうにも、
何処まで巻いて良いか把握出来ない。
「プールに遊びに行きました。」
「泳ぎを教えてね!」
小さな彼の言葉と共に添えられた、
貴女の写真。
単純な、
けれども新鮮な。
こんな簡単な事なのに。
「待ちわびてたんだろな。」
何時まで経っても、
この葉書を話題に出さぬ俺を。
貴女は如何想って居たのだろう。
消印から五日遅れて手元に届いた、
一通の宝物。
御免ね。
葉書は今日、
俺の心に届いたんだよ。
10月01日(水)
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