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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■母子で表札を架け替えましたか
敵地。
過去の雰囲気を打破する為に、
過去の男と闘う為に、
今回乗り込んで来たんだ。
小さな彼が残す想いを、
全て消す事は不可能でも。
其の残り香を上回る想いで、
覆い包む事は可能なんだ。
目の前の扉を開ければ、
目の前に小さな彼が姿を現す。
ふと見上げると、
一枚の表札。
未だ貴女があの男の所有物だと、
そう宣言するかの様な苗字。
未だ小さな彼が、
あの男への想いを強く強く握っていると、
そう警告して来るかの様な苗字。
敵地。
貴女から届く文。
「小坊主なら気付いてるよね・・・。」
「嫌な思いさせてしまったんじゃないかって・・・」
貴女の言う通り。
俺は目敏く探知した。
俺が気付かない筈は無いのだ。
けれども貴女は間違っている。
此処は敵地だ。
昔はあの男も居た場所だ。
あの男の名は無くとも、
あの男の威光は、
十二分に凍み込んでいる地だ。
そんな事は百も承知で、
今更嫌悪感を覚える理由にすら成らない、
取るに足らない出来事なのだ。
事実に気付いた直後から、
貴女は行動に移ったけれども。
少しも安心感は増えていない。
「すぐ外したからね。」
「報告終わり!」
俺の想いで無く、
小さな彼の想いは如何なのだろうか。
小さな彼も賛同した事であれば、
きっと安心出来るのだろう。
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References
Jan.12 2003, 「文字が歳月を見せるのですか」
06月05日(木)
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