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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■何故出来ないのでしょうか
形有る物は、
何時か壊れ行く。
形に拘り、
其れよりも貴重な物を失う事など、
在ってはならないから。
「携帯に付けてたお揃いのストラップも流しちゃった。」
不注意から、
下水の中へと消えて行った貴女の携帯。
俺と貴女の繋がりに一翼を担っていた形は、
二月程前に一度消えた。
流れた物は取り返せない。
消えた物を手元に戻す術は無い。
事実に向き合わねば、
お互いの想いも進まないのだ。
「物に拘らなくても良いでしょ。」
「大切なのはお互いの想いでしょ。」
あの時貴女に伝えた言葉には、
一点の曇りも無い。
けれども。
想いも亦、
不変では無い。
時には固化して意固地な姿を保ち続け、
時には液体の様に姿を流動させ、
様々な姿を、
互いに魅せ付け続ける。
自身を見失わない為の、
自身の弱い心を支える為の、
拠り所として。
何らかの形を欲して、
何が悪い。
想いの一翼を担う形が、
消えたと言う事は。
想いの翼を捥がれたと言う事実に、
他ならないのだ。
貴女に対して俺は、
想いを逆撫でられたと認識したのか。
貴女の想いの何処を信じたら良いのかと、
絶望感を記憶したのか。
まさか俺は、
怒りを覚えたのか。
「読み返して元気が出るメール。」
「またいっぱい頂戴ね!」
「今度お揃いの物買おうね♪」
良く良く想い返せば、
貴女の言葉に何一つ応えてない事に気付く。
06月04日(水)
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