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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■背後から包んで良いですか
貴女の文面は、
きっと俺の声を求めた物なのだと、
判断出来たから。


 「小さな彼は実家だから。」
 「一人寂しく食事です。」


貴女が書いて寄越す時は、
何時も俺の声を聞かせて来たから。








長い沈黙。

貴女の声は一向に聞こえる気配すらなく、
呼び出し音だけが鳴り続ける。



疑問符。
疑問詞。
疑心暗鬼。

いや。

想定外の状態に、
頭の片隅に置いてもいない出来事に、
疑念自体の、
浮かび来る猶予も無かった。



来客は無い。
入浴も無い。
外出には長い。
雪隠でも長い。

電算機の様に、
考え得る状況を羅列しては消し、
袋小路に行き着いた時。










貴女の泣き声が聞こえた。



















人一倍甘えん坊の貴女。

懸命に一人で闘う時には、
相当の精神力を必要としているのだろう。


 「色々想い出してね。」
 「昔の事を反省してね。」
 「それでね。」
 「それでね。」


俺との出来事を想い返す時、
決まって貴女は、
不必要に物事を悪く捉えて、
不安定な状態に陥るから。









 「馬鹿。」


安堵感から生まれ出た、
音に成らない程の小さな声。



貴女を荒海に放り出す事など、
有り得ないのだから。

背後の備えは俺に任せて、
目の前の課題に真っ向勝負すれば良いさ。








貴女の魅力は「猪突猛進」だろう?
04月29日(火)
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