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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■対抗心だけでしょうか
長い髪が好きだと、
そう伝えた事が有る。
短い髪に向かって、
そう伝えた事が有る。
ただ嗜好の問題だけでは無く、
あの男への対抗心と、
今を壊したいと言う願望が、
あれだけ強い想いを俺に齎した事は、
疑い様が無い事実だ。
小さな彼の勘違い。
幼気で素直で悪気の無い、
容赦も無い言葉。
「年下なのに呼び捨てしてる〜!」
貴女と共に呑んでいた同い年の友達は、
皆貴女より年下に見えると、
小さな彼は呟いた。
貴女の苦しさは、
俺が一番理解出来ていると想っている。
子供の素直な眼が、
例え貴女が同い年より年上だと主張しても、
俺の奥底が揺れる筈も無い。
けれども貴女は、
髪を切る道を選択した。
「きっとみんな髪短いからだよね。」
「美容院行って来る!」
寂寥感と嫉妬心、
そして何より敗北感。
貴女の近くに存在するのは、
俺では無く、
どうしても小さな彼なんだ。
女であろうとする貴女の気持ちは、
理解しているつもりだけれど。
「髪を切ったからって変わらないよ。」
「どっちかと言うと長い方が良かった。」
そう冷たく言い放った小さな彼の言葉は。
もしかしたら、
俺が一番言いたかった言葉かも知れない。
04月14日(月)
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