ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■次は早くキスしてくれませんか
貴女の身体には、
俺には聴き取る事の出来る鈴を、
ちゃんと付けてあるから。

貴女の仕草には、
俺には嗅ぎ取る事の出来る匂いが、
ちゃんと付いているから。


どんなに急いでいても、
貴女の音は聞き逃さないよ。




 「行ってらっしゃいのちゅぅしたのに・・・」
 「すぐに電話切っちゃったでしょ」

 「ちゅぅが聞こえなかったでしょう?」




本当に残念な気持ちが溢れた文面。


電話を切られた事に対する残念な気持ちと、
聞こえなかったと言う事に対する残念な気持ち。

そしてもう一つ、
ほんのちょっとだけ隠し味が入っているよね。








躊躇してしまった事に対する残念な気持ち。

貴女が躊躇したから、
俺へ気持ちを届けるのが遅れてしまった。










照れに照れて、
やっと贈ってくれたキスの音。

ちゃんと届いたから。
遅くなかったから。




心配しなくて大丈夫。

今更そこまで照れなくても良いのにと、
微笑みを浮かべながら受話器を置いたんだから。
10月15日(火)
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