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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■卑怯者ですか
いつも受話器の向こうに、
必死にお前を想い浮かべて来たけれど、
今はお前の姿を微塵も感じないように、
大きな鏡だけを想像する。

お前の声にfilterをかければ、
ただの無機質な音声・・・
俺自身にそう言い聞かせる暗示こそが、
自分で張れる最強のfilterだから。



けれども・・・

俺の気持ちが揺れてしまえば、
そんなfilterなんて有って無いような物。

あっさり突破されそうで、
お前の姿どころか声さえ聞くことが出来ない。



 「一番簡単な方法だよね。」



お前の言葉に耳も貸さず、
一通の文だけを送りつける。

そして一方的に、
鏡に映る自分の姿めがけて大きな鉈を振り下ろす。





粉々に割れた鏡・・・

破片でつけた傷が、
俺にはいくつか残っているけれど、
お前の姿は何処にも映っていない。

自分だけの世界に逃げ込んで、
この世の終わりを待つだけ。



 「一方的過ぎる。」



お前の言葉は自然で当然の言葉。

きっと俺に見えない大きな傷跡が、
お前には残ってしまったはずだ。

それで良いのか?
03月29日(金)
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