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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■「向左走、向右走」製作発表会のエピソード・2
同じマレーシアの記者によるものをもう少し。
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「向左走、向右走」の中でバイオリニストをやるんだと知ったとき、
金城武がまず一番にしたことは、トー監督にこうたずねることだった。
「ぼく、バイオリンを弾かなくてもいいかな?」
(答えはもちろん、「ダメ! 原作に忠実にやるんだから!」)
そこで、彼は役柄になりきるため、レッスンに通い、
今ではいくつか簡単な曲を弾けるようになった。
しかし彼は、バイオリンは難しいと、繰り返し強調する。
「正しい姿勢が大事だし、自然な感じに見えなくちゃいけないからね」
言いながらおどけた顔をしてみせる。
製作発表会のとき、彼は、ジジ・リョンとはまるで別の映画に出ているみたいだと言った。
――では、だれが相手役なの?
彼は笑いをこらえきれない様子で答えた。
「それでもやっぱりジジなんです! でも、たいてい自分を相手に演技している。
うーん、つまり空気を相手役にね!」
彼によると、この映画では学ぶことが多く、監督がどのようにシーンを組み立てるのか、
どんなふうに撮影するのか、実地に見ることが出来るという。
「ぼくは毎回隣で見ているんですけど、
いつも感じるのは(と右の席のトー監督を指して)監督はすごいってことです」
このとき、トー監督がちょうどセキをした。
金城武は監督を見て、「本当ですよ、おせじじゃないですよ」と言ったので、
監督は笑いながら彼の足をたたいた。2人がお互いを理解し認め合っているのがよくわかる。
もともと金城武の香港映画第1作は、トー監督の「東方三侠2」であり、
数年前には、「パラダイス!」で再び一緒に仕事をしている。
金城武が「あの映画は本当にくたびれました。だって殴られてばかりだったから」
と言うと、トー監督は声をあげて笑った。
映画「リターナー」、ドラマ「ゴールデンボウル」などのように、
最近仕事の中心を日本に移しているように見えることについては、
別にそういうことではない、日本でオファーされた作品が、
とてもやってみたいものだったからだと答えた。
また、脚本だけでなく、製作スタッフも見て作品を決めるという。
では、ずいぶん選ぶんですね、と聞かれて、彼はまあ、そうですと答え、
「けっこう選びます。自分がやりたいという気持ちになるだけでなく、
その仕事の中で何か新しい経験ができて、もっと自分が成長できるものがやってみたい。
大事なのは、自分が好きだと思えるということですね。
無理のある脚本はやりたくない。そこに真実を感じられるものがいいと思います」
彼はこの作品に出ることになって、初めてジミーの原作を読んだそうだが、
人を泣かせたり、笑わせたりする文芸作品≠ェとても好きだという。
最近印象に残った映画か本は? と聞かれて、
彼は右手で右の目を押さえ、しばらく考えたあげく、
いかにもいたずらっぽい様子で答えた。
「スピルバーグの『A.I.』です。オイオイ泣きました」
BBS
06月15日(日)
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