ID:19200
たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■サービス
ひさしぶりの雑記更新。
AAのマークとして知られている、丸と三角のシンボル。
このシンボル、実はアメリカ・カナダのAAでは使わなくなっているそうです。
AAは長年このシンボルを使い続け、AAの商標だと主張し、AA以外の団体が(主にAAメンバー向けの商品に)このシンボルを使うことを止めさせようとしてきました。しかし、調べてみると、実はこのシンボルはAA誕生以前から禁酒運動で使われているもので、AAが権利を主張する根拠がないことがわかり、シンボルを使うことそのものをやめてしまいました。(元ネタはこちら)。
考えてみると、これはすごいことです。AAとAA以外のものを区別するために、他の団体にシンボルを使わせない努力をやめ、自分たちがシンボルを使わないようにした。そのことで「このシンボルがついているものはAAではない」とハッキリしたわけですから。
△の各辺には、RECOVERY(回復)、UNITY(一体性)、SERVICE(サービス)と名前がついています。今回はその「サービス」についての話です。
以前掲示板にブラジル在住の日系人メンバーがいらしたのですが、彼はサービス活動のことを「奉仕活動」と呼んでいました。
サービス活動とは何か? それは「新しい人にAAのメッセージを伝えるために必要なすべてのこと」を指すのだそうです。
大仰に考える必要はありません。例えば新しい人にメッセージを伝えるためには、まずAAが存在し続けなければなりません。だから、ミーティング会場を開け続けること、ポットにお湯を用意すること、茶碗を洗うこと、椅子を並べること、これらすべてAAのサービス活動です。
誰もいなければミーティングが成立しませんから、ミーティングに出席し、自分の番が来たらしゃべること、これもサービス活動です。スポンサーとして飲まないためのアドバイスをしたり、12ステップを伝えることもサービス活動です。
そうすると、熱心なAAメンバーがやっていることは、そのすべてがAAのサービス活動だと言えます。自分とそのまわりの人たちのことだけを考えるのなら、それだけで十分だと言えます。
しかし、まだAAの存在すら知らないアルコホーリックにAAのことを知らせたり、これからアルコホーリックになる運命を背負って生まれてくる赤ん坊のために、何十年も先にもちゃんとAAが存在し続けることを保証するためには、それだけで十分とは言えません。
そのために、例えばグループから代表者を出し、いくつかのグループで集まって活動することも必要です。また、その中からさらに選挙で人を選び、より広いエリアで、あるいは全国レベルで活動してもらうも必要になります。外部の人がAAに連絡するためのオフィスを構えたり、出版物を出したり、他の国のAAと連絡を取り合うことも必要になります。
通常は、グループを越えたこうした活動に対して「サービス活動」という言葉を使います。AAという団体は、このサービスが活発に動いている団体だと思います。
しかし、このサービスの分野は人材不足だと言われます。今に始まったことではなく、10年前からそう言われています。全国レベルでは評議員のなり手が足らず、欠員が出ています。1990年代半ばにAAのサービス機構を整備した人たちは、将来AAメンバーが増え、サービス活動がますます活発になることを予想して、すこし大きめの(つまりたくさん人数が必要な)機構を作ったそうです。いわば子供の成長を見越して、すこし大きめの服を買うようなものでしょうか。それが裏目に出て、熱心な人材を早々に使い果たし、なり手集めに汲々とするようになってしまったのが日本のAAの現状です。だから、サービス構成を縮小すべきだという意見も出てきています。
役割のなり手が足りないのは全国レベルだけではありません。地域や地区のレベルでも役割の引き受け手が足りず、一部のメンバーに負担が偏っています。
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05月07日(月)
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