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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■暗記の大切さ
ラジオ番組で老いた教育学者が「暗記の大切さ」を説いていました。
最近の教育では暗記が軽視される傾向があります。
昔は論語を暗記するなどという教育が普通に行われていました。
僕の世代でさえ、漢文の暗唱という宿題が出ました。授業でちゃんと暗唱できなければ、放課後に国語教師の部屋の前に生徒たちが列を作って、「さいじょうがちかきのひとに・・・」とやったものです。
僕はスポンシーに「毎日ビッグブックを毎日一章読むように」と言います。
どの章でもひとつ読むには20分ぐらいの時間は必要でしょう。面倒がってやらない人もいますが、まあそこはそれ。なぜそんなことをするかと言えば、中身を覚えてもらうためです。さすがに漢文と違って、丸暗記して暗唱しろとは言いません。けれど、毎日読んでいれば、部分部分、断片的にでも記憶していきます。それが大事です。
なぜ教育で暗記の重要度が下がったのか。それは覚える力ことよりも「考える力」が重視されたからです。しかし、考える力とは何でしょうか。老教育学者の話に戻ります。
私たちは自分の知識や経験の断片を組み合わせて思考します。頭の中に、理解やアイデアやコンセプトが生まれるのは、断片の新しい組み合わせ方を発見するからです。断片を増やさなければ、考えても考えてもいままでと同じ組み合わせしか出てきません。つまり今までの自分以上の良い考えは身に付きません(古い考えの支配を受け続けるしかない)。
ビッグブックを読んでもらうのは、考えるために必要な新しい断片を加えるためです。
もちろんミーティングにも通うように言います。ミーティングからもたくさんの断片がもらえます。けれど、生活しながら通えるミーティング、そこで話を聞ける人の数には制限があります。おまけにその断片は役に立つものとは限りません。
ビッグブックを読むこととミーティング通いを続けると、そのうちビッグブックから得た断片と、ミーティングから得た断片がつながるようになります。「ああ、この人のこの話は、ビッグブックのこの段落が言っていることにあてはまるな」と気づけるようになります。そうした気づきが積み重なると、断片と断片のつながりがネットワークを形成し「理解」を形成します。つまり、これによってようやく「考える力」がつくのです。
その頃にはステップの実践も進んでいくので、ステップについて「本に書いてあること」「自分の実体験」「他者の体験談」が重なりあうようになっています。こうして健康な判断力が戻ってきた人に対して、もうあれこれ言う必要はありません。
1月16日の雑記で、
http://www.enpitu.ne.jp/usr1/bin/day?id=19200&pg=20110116
日本のAAでは12ステップのやり方として大きく分けて二つのやり方が存在している、と書きました。
先日紹介した「つくし野&♭代々木」のステップセミナーは、もっぱらビッグブックのやり方の話でした(よね)。
今月末の東京ステップセミナーでは、両方のやり方の話し手が用意されている、と教えて頂きましたのでご案内しておきます。
東京ステップセミナーについては「AA関東甲信越かわらばん」をご覧下さい。
http://www.h2.dion.ne.jp/~aa-kkse/kawaraban.htm
01月19日(水)
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