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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■ステップを進める速度
スポンシーのステップ5「恐れのリスト」の分かち合いが終わりました。
まず簡単にストーリー形式の棚卸しをやって、さらに表形式で「恨みのリスト」→「恐れのリスト」と続けてきました。ここまで長くかかりました。今後「性のリスト」があって、お終いに「傷つけた人のリスト」が来るのですが、ここまで来ればあとは順調に流れるということは経験的に分かっています。

彼が棚卸しを書き始めたのは去年の5月だったそうなので、もう半年以上かかっています。この間、スポンサーとスポンシーの一対一でやるセッションは10回を越えているはずです(数えてないけど)。ビッグブックのステップのやり方をしている人だと、12ステップ全体にかける時間は数週間から数ヶ月程度でしょうか。だから、棚卸しだけで半年以上というのはずいぶん長くかかったことになります。

なぜそんなに長くかかったのか。それはステップを戻っていたからです。
彼が棚卸し表を書き上げて、さあステップ5だと意気込んで来たときに、僕は
「棚卸しを聞く前に、いったんいままでの復習をしよう。まずステップ1を僕に言葉で説明してくれ」と言ったのです。

彼は満足な説明ができませんでした。一生懸命棚卸し表を書いているうちに、ステップ1がどこかへいっていました。「ステップ1が抜ける」というやつです。それはステップ2、3についても同様でした。そこで「医師の意見」まで戻って、(最初の時ほど丹念ではないものの)もう一度ステップ1とは何かという分かち合いをしました。ステップ2、3も同様です。その時には赤本も使いました。

「私たちはいま、最後には自由な身となってくぐり抜ける凱旋門を築いている」(p.109)

ビッグブックでは12ステップを凱旋門を作る作業に例えています。ステップ1はその基礎、ステップ2は礎石(cornerstone)、ステップ3はかなめ石(keystone)です。どれか手抜きでも建物は倒れてしまいます。だから「基礎に流すセメントは足りなくはないか。砂を抜いたモルタルを作ろうとはしなかったか」というチェックをする勧めがあります。

スポンサーも、スポンシーも、ステップを自分で思い描いたスケジュール通りに進めたいという願望を持っています。しかし工期通りにできあがっても、欠陥建造物では回復は望めません。正しいタイミングというのは、スケジュール通りという意味とは違います。

言葉での説明を求めたのは、彼も将来はスポンサーを務めるわけで、その時に言葉で説明できなければ困るし、ステップミーティングで話ができなければ困るだろうからです。

そんなわけで、これからスポンサーに棚卸しを聞いてもらおうと意気込んできたスポンシーにとっては、すっかり出鼻をくじかれた格好になったのですが、それでやる気を失ってしまわないのが彼の一番良いところです。次からはきっちりと体勢を立て直してきました。

彼はぼくより若いので、将来的には僕よりたくさんの人を手助けし、結果を残す可能性は十分あります。ぜひそうなって欲しいものです。

掲示板とブログで案内をしましたが、今週末にビッグブックのステップのセミナーが板橋であります。ビッグブックのステップと言っても一様ではなくバリエーションがありますが、彼らについては紹介文にあるとおり「絆の強いスポンサーシップ」と「ビッグブックにより忠実」が特徴です。こんな雑記を読んでいるよりずっとたくさんのものが得られるでしょう。12ステップに興味のある方は、ぜひお出かけになってください。

http://www.ieji.org/dilemma/2010/11/116-aagg.html

01月11日(火)
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