ID:19200
たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■発達障害について(その5)
自閉症の特徴の一つは、情報の選択ができないことです。
人間の五感には様々な情報が流れ込んできますが、必要な情報を注意選択する機能があります。例えば赤ちゃんは目の前の扇風機の音がうるさくても、その向こうから聞こえてくるお母さんの声に注意を固定します。ところが自閉症の場合には、この注意選択の機能が働かないため、情報の洪水の中で立ち往生してしまいます。
成長するにつれ注意を固定することができるようになりますが、それには意識的な集中が必要なため、しばしば過剰な選択が働いてしまい、必要な情報がすっぽり抜け落ちてしまう、ということが起こります。
こうした情報の洪水に対抗するために、自閉症児は自分で一定のリズムを持った刺激を作り出して、外からの不快な情報を遮断します。目の前で手のひらをひらひら振る、座りながら体を前後左右に振り子のように振る、目も回さずにくるくる回る、など。
また成長すると「解離」を使うことで、外からの情報を遮断するテクニックを使う人もいるそうです。
知覚の過敏性もあります。
普通の赤ちゃんはだっこやおんぶを喜びますが、自閉症児を抱きしめようとするとパニックになり、おんぶすれば母親の背中から離れようとのけぞります。これは皮膚の感覚が過敏なため「触られると痛い」からです。シャワーも痛がって嫌がる子が多く、入浴が嫌いになったりします。服が肌を刺激することを好まないため、服を着たがらず、靴を履いたり帽子をかぶるのがひどく苦手な子もいます。音に対しても敏感で、音楽などの大きな音を嫌がります。
こうした過敏性がある一方で、やけどや怪我の痛みには鈍感だったりします。寒さに対して鈍感であると(服への過敏性もあいまって)他の人が厚着をするようになっても、薄着で寒がらないこともあります。
知覚過敏と過剰選択があるため、例えば手を握りながら話しかけると、握られた手の感覚で頭がいっぱいになってしまい、話が無視されてしまいます。このため、後述するアスペルガーの人も含めてPDDの人に話かけるとき、話の中身に注意を向けてもらいたければ、こちらの顔の表情を変えず、声のイントネーションも抑えて平板に話すことが必要になります。
蛍光灯の細かなチカチカが気になる、白地に黒い字の印刷ではコントラストが強すぎるなどとも書かれていました。
(つづく)
01月06日(水)
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