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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■書評:ギャンブル依存との向きあい方(その1)
ミーティングで他の人が体験を話しているのを聞くと、自分にも同じような体験があるのが思い出され、自分が話す番が来たらその話をします。そうやって他の人の話と自分の体験が「重ね合わされ」ていくのが、ミーティングにおける「分かち合い」です。それによって、自分の過去の行動の意味や問題点に気付き、自分を振り返ることができます。
ところが、この「重ね合わせ」や「分かち合い」に乗れない人たちがいます。彼らは他の人が何を話していようと、お構いなしに自分の話したいことを話します。他の人の話の些末なところに着目してしまうこともありますが、大局的には他の人の話にはあまり影響を受けません。他の人たちが「分かち合って」いる中で、(同じ場所にいながら)その輪から外れているのですが、本人にはその自覚がないようです。過去の自分の行動の意味を振り返ることは難しく、自省に結びついていきません。
こういう人たちは「自分の問題から目をそらしている」(否認している)とか、回復への意欲がないと見なされがちです。場合によっては、罪悪感を持っていないとまで見なされてしまうこともあります。
発達障害について学んでみると、こうした行動は自閉圏の特性ゆえだということが分かります。彼らは共感や自省や罪悪感を持つことができないのではなく、単に「ミーティング」という方法が合っていないだけなのです。また、12ステップも(自閉的な特性を持たない多数派のために作られたものである以上)、自閉圏の人が扱いづらい曖昧な概念を使っているので、その人に合わないということが起こり得ます。
発達障害以外にも、知的な障害を抱えている人もAAに来ますし、精神障害を抱えた人も来ます。それは一部の人たちに限られた問題です。AAは全員に「共通する問題」を解決するために、ミーティングや12ステップという「共通の解決方法」を使うところです。その人に固有の問題を解決するのに、別の方法論が必要になってくるのは、考えてみれば当たり前の話です。
それを「みんな同じ」で、みんながミーティングや12ステップで良くなるというのは、かなり無理があった話と言わざるを得ません。
(続きます)
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01月09日(水)
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