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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■荒削りな人生学校
AAであれどこであれ、人間がそこに存在する以上、人間関係のトラブルは避けられません。こんなトラブルがあるからAAはダメなんだ、という考えは、トラブルがまったくなくて、心配事も腹立ちも何にもない生活が実現されて当たり前、というアル中の病んだ考え方そのものなのです。
そもそも、僕がAA嫌いだというのは、AAだけじゃなくて、AA以外の人間も、この世界も嫌だということだったのですから、それはやはり精神が病んでいたことによるのでしょう。
だから僕は不愉快になったり、いろいろ嫌になってしまった時は、「それは自分がいつも良い気分でいられるべきだ」という利己的な思考に陥っていないかチェックするようにしています。
精神を病んでいない健康な人からAAを見たらどう見えるのだろう。そういう疑問に答えてくれた人がいたのですが、AAは嫌なところというより、むしろ面白いところだそうです。その面白さは、どこぞのドタバタの新喜劇のようなものなのかも知れません。苦笑いなんでしょうけどね。
12&12のステップ11の最後には、私たちの周囲の極めて人間的なことのなかに一見神の意志とは正反対のことが現れたとしても、もはやそのために私たちが深く動揺することはない、と書かれています。
これからもAAの中ではつまらないトラブルが絶えないでしょう。そのために時にはうんざりする人もいるかもしれません。でも、その争いが「いかにして最も多くの酔っぱらいに最も良いことをするか」ということであれば心配要らないとビル・Wも書いています。
彼はAAを「荒削りな人生学校」に例えました。僕らはもう一度子供に戻って、そこで人生を学びなおしています。子供というのはそれに見合ったことをするものです。時には小学生のようにガキっぽく、また時には思春期のように青臭く、様々な「しょうもないこと」を繰り返すでしょうし、痛みも伴うでしょうが、一足飛びに大人になることは誰にもできやしないのです。例え過去に僕らが酒を飲んで大人になった気分でいたとしても。
01月28日(月)
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