ID:19200
たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■共依存について(その2)
シェフは依存症者と家族のイネイブラーの関係は、社会の縮図であると考えました。疑似アルコホリズムの時代には、依存症者本人が一次的に病んでおり、その影響を受けて家族が二次的に病むという構図でした。これが共依存概念になると、まず社会そのものが嗜癖的かつ共依存的であり(これが一次的)、その中に生きる人が影響を受けて物質嗜癖・プロセス嗜癖を二次的に発症する、というコペルニクス的発想転換が起きました。

また、それまで依存症者を抱える一家の病気としての概念だったアディクションが、社会全体の問題として社会学の対象となっていきました。そんなわけで、現在共依存という名目で出版される本を探すと、それを個人の問題としてではなく、社会の問題として論じているものが目立ってくるわけです。

さて、次回は、こうして成立した共依存概念を少し批判的に捉え直してみる試みです。

01月18日(水)
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