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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■セラピー(治療)と支援の違い
「言いっぱなし、聞きっぱなし」のミーティングは、ビギナーを受容し、他の仲間の支えにつなげる効果があるわけです。それは社会性の薄いアルコホーリクが集団でうまくやっていくための手段ということになります。しかし同時に「言いっぱなし、聞きっぱなし」が子供返り(退行)を引き起こすこともあるでしょう。実際、何年もAAにいて酒は止まり続けているものの、仕事が長続きしないとか、AA以外の人間関係がうまく作れないとか、AAの中でも議論が発生するサービスの分野ではめげてしまうとか・・・そんな例はいくらでもあるわけです。
そういった問題を解決するのは、スポンサーシップ、そして12ステップの役割なのでしょう。社会性の薄いアルコホーリクを受容して支えてくれるのがミーティングならば、その人が社会集団の中でやっていけるように戻してくれるのがスポンサーシップと12ステップ、という分担なのではないか。ミーティングで癒しを求めるのは結構なことなのですが、そればっかりだと、その人が社会でやっていくスキルが身に付かないわけで、アルコホーリクにはそのどちらも必要なものに違いありません。
小栗先生の話を聞きながら、そんなことを考えたのです。
09月05日(月)
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