ID:19200
たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■摂食障害〜乱用と依存を考える
「依存のない乱用」の段階では、症状より原因に注目すべきなのでしょう。完全に症状を抑えることは必ずしも必要ではありません。けれど、症状を続けていれば(それがパチンコであれ、過食であれ)やがては一定数の人たちの症状がアディクション化し、原因を取り除いても(取り除ければの話ですが)アディクション化した症状が固定することになります。

プロアナというのは、拒食症を病気ではなくライフスタイルとして支持する考え方だそうです。また摂食障害のグループのなかには、症状をやめることを目的としないとするグループもあります。どう考えようとその人の自由だとは思うのですが、やはり将来に何が待っているかを考えて、今すぐでなくてもいいので、3年後、5年後、あるいは10年後には原因を解消して症状がとまっている自分の姿を想像して欲しいと思います。

というのも、摂食障害も一定割合が死ぬ病気ですし、いったんアディクション化すれば「症状をやめることを目的としない」などと言っていられなくなります。それともう一つ。

摂食障害の家族の人たちの話を聞く機会がありました。過食おう吐の場合だとそれに費やされる食費が、家飲みのアル中さんの酒代よりよっぽど多かったりします(しかもそれが同居の親の負担だったり)。それをどうやって解消していいのかわからない。ご本人のほうは摂食障害は依存症とは違うと考えていても、家族の心痛はアラノンやギャマノンの人の話とまるっきり同じなのでありました。

「乱用があれば、何もかもアディクションである」とする考え方も、「××はアディクションとはまったく違う」という考え方も、どちらも偏っています。

08月16日(月)
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