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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■専門性って何だろう
最近ビッグブックを使った12ステップのやり方・伝え方が注目されているのは、とても良いことだと思います。なぜならそれによって、「ステップのやり方を伝えていく」というスポンサーシップの本質が取り戻されているからです。けれど、「ステップを伝える」ことに意識が集中しすぎているんじゃないか、という懸念があります。
確かに12ステップへの知識・経験・技量、そういうものは必要でしょう。スポンサーはそれが「専門」であり、それがなければ話になりません。けれど、それだけがあればいいわけではなく、やはり全体を見通す力は不可欠です。
「私はスポンサーとしてステップを伝えるだけだ。スポンシーの悩み事相談には乗らない」という話をあっちでもこっちでも聞いてしまいました。しかしその言葉は、自ら12ステップへの専門性を否定する言葉です。
例えばこういう人に限って、スポンシー本人だけを相手にして、スポンシーの家族へのコミットメントを避けています。「ビッグブックのやり方に忠実に従っている」と言いながら、第7章の内容はまるで無視です。僕の経験では、本人だけを相手にしているよりも、スポンシーの家族と何らかの接触を持てた方がずっとうまくいきます。何も家族からの情報を拒否する必要はありません(ビッグブックに捨てて良いところなんてないよ)。
ビッグブック・ムーブメントには様々な批判も寄せられています。ビル・Wの言うとおり、批判にはまるで正当性のないものも混じっていますが、たいていの批判には正当な部分も含まれています。「ステップを伝えるだけ」というのもその一つであり、字句通りステップを伝えることに集中するのではなく、その目的を達成するためにこそ全体を見渡す能力が必要なのでしょう。
06月14日(月)
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