ID:19200
たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■微妙な話題(その3)
日本でAAを始めた二人は教養高い人たちでした。M神父は京都大学で教えていた人で、P神父も学校はどこだか知りませんが教鞭をとっていた人です。まあ神父だから頭の良いのは当然か。
M神父は、社会的に恵まれた人たちが断酒会で助かっているのを東京で見て知っていました。だから日本でAAを始めるにあたって、その人たちは断酒会に任せることとし、手を差し伸べる人のなかったドヤ街のアル中さんたちにメッセージを運ぶことに決めました。そうした決断の背景には、19世紀以降アメリカに存在したキリスト教によるドヤ街での救済ミッションの姿があったと思われます(日本でも救世軍が活動しています)。
だから二人の神父は、助けるべき相手にあわせてビッグブックという道具を捨てたのではないか、と僕は思っているのです(もはや確かめる術はありませんが)。そして、その選択が合理的だったからこそ、AAが日本に根付いたのだと思うわけです。
12月14日(月)
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