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頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■コングラチュレーション!
それが何であれ、『式』というものは常に緊張感を伴うものである。
だが、見方を変えると、それは可笑しいものになる。
今日の結婚式もそうだった。
まず見せられたのがこれ。
昼間からいきなりのキスシーンである。
教会でやる結婚式に出席したのは初めてだったが、もちろん式中にキスシーンがあるというのは、映画やテレビなどで見たことがあるので知ってはいた。
だが、『口づけ』というのはあくまでもドラマの中の演出であって、一般的には額や頬にするものだと思っていた。
しかし現実はこうだった。
ここでBGMが変わったくらいだから、非常に感動的なシーンなのだろう。
特に女性にとってはそうだと思う。
だが、それをやっているのがタマコだと思うと、ぼくは可笑しくてならなかった。
教会の厳かな雰囲気の中、外国人神父の声が響き渡る。
会場にいる人は皆、緊張感を持ってそれを聞いている。
だがぼくの意識は、外国人神父の片言の日本語に注目する。
「神の愛」「夫婦の愛」
キリスト教はやたら「愛」を連発するものだが、この外国人神父は「愛」を「アーイ」と発音するのだ。
ぼくはそれがおかしくてたまらない。
しかし、厳粛な教会の中、笑うわけにはいかない。
が、笑ってしまった。
それにも増しておかしかったのは、タマコの声だった。
「タマコさーん」
「あい(はい)」
「…この祈りの席に、心から節操を守ることを誓いますか?」
「あい、誓いまーす」
緊張感のない間延びした声、まるでいつもの口調なのだ。
お色直しのたびにタマコは披露宴会場を退出する。
スポットライトはその姿を追い、MCはその姿を言葉で飾る。
ドレス姿のタマコ、ライトアップされたタマコ、ナレーション付きのタマコ、まるでファッションモデルのようだ。
そこに出席していたすべての人が、盛大な拍手でタマコを見送った。
しかし、もしこの演出がなかったとしたら…。
実は、タマコはいつものように、ノシノシと体を揺らしながら歩いていただけなのである。
ぼくはそれに気づいて、ひとりで笑っていた。
ということで、今日はタマコの結婚式の模様をお伝えしました。
10月21日(土)
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