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頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■MIDI集のこと
送ればせながら、『歌のおにいさん』の中にあるMIDI集の説明をします。

『歌のおにいさん』にある曲は、説明文にあるとおり、すべてオリジナル曲である。
オリジナル曲をただ単に歌うだけなら別に苦労はないのだが、MIDIにするというのは、ぼくにとっては大変な作業だった。
まず第一に、ぼくは楽譜が読み書き出来ない。
これは致命傷である。
楽譜の勉強をやったことはある。
しかし、自分が歌うだけのものだから、別に楽譜にしなくてもいいや、と最後にはあきらめた。
そのために、今頃になって苦労している。
ギターの音を一つ一つ拾いながら、パソコンに打ち込んでいったのだが、かなりの時間を要した。
現在5曲を収録しているが、5曲目を作り終えた時、「もうこんな面倒なことはせんわい」と思ったものだった。
もしぼくが楽譜を書けたとしたら、さほど時間をかけなくてすんだだろうし、もっと多くの曲をMIDI集に収録できたと思う。
それを考えると残念である。

『愛の夢』
もちろん、リストの『愛の夢』ではない。
「ぬれた瞳に 笑顔を込めて
 君がぼくの瞳を 見つめた時
 小さな風は 息を潜めて
 二人だけの世界に 愛を送る…」
という臭い歌詞を付けている。
一度この歌を人の結婚式で歌ったことがあるのだが、歌詞があまりに恥ずかしかったので、ずっと下を向いて歌っていた。
この曲は当初『ダウトの夢』と名付けていた。
東京にいた頃に、オーケストラの夢を見たことがある。
その時奏でていたのがこの曲だった。
夢の中で、そこにいた人にぼくが「この曲何というんですか?」と尋ねると、その人は「ああ、これは『ダウトの夢』というんだよ」と答えた。
ということで、この曲は夢の盗作である。

『雨の降る夜は』
1976年6月に作った。
「雨の降る夜は たった一人で
 蚊取り線香の 光を見つめて
 蛙といっしょに 歌をうたうと
 見知らぬ人が 傘をさして通り過ぎる」
という歌詞が付いている。
ちょうどギターでボサノバの練習をしていた時だった。
バレーばかりやっていて手が疲れたので、簡単なコードで遊んでいた時に曲が出来た。
それに歌詞を付けたのだが、歌詞はイマイチである。

『湖上』
予備校時代、中原中也にはまっていた時期がある。
その中に『湖上』という、いかにも歌詞歌詞した詩があった。
「ポッカリ月が出ましたら、
 舟を浮かべて出掛けませう。
 波はヒタヒタ打つでせう、
 風も少しはあるでせう。…」
この詩に出会った時、「いつか曲を付けてみたい」と思ったのもだった。
曲が出来たのは、それから1年後だった。
1977年の5月だったと思う。
ぼくの人生の中で唯一の引きこもり時期の真っ最中だった。
することがないのでギターを弾いていたら、急に曲想が浮かんだ。
冒頭に書いたとおり、ぼくは楽譜の読み書きが出来ないので、さっそくカセットテープに吹き込んだ。
今もそのテープは手元にあるが、ギターを奏でながら「ポーッカリつーきーがでーまーしーたーらー」と実に間抜けな声でうたっている。
ここでお聴かせできないのが残念である。

『夏の夜』
これも‘77年の引きこもり時期に作った曲である。
7月だった。
テレビを見ている時に、メロディが浮かんだ。
いつものようにテープに吹き込もうとしたのだが、なぜかその時に限って録音が出来なかった。
ぼくは一度聴いてもメロディを覚えることが出来ない質なので、覚えるまで何回もギターを手にして鼻歌をうたっていた。
曲が出来たあとに詩を付けたのだが、詩は5分で出来た。
「波に乗る風、涼やかに
 ああ写し出す月影
 夢のような時は過ぎ
 短すぎる、夏の夜…」
詩の形態に抒情小曲というものがあるが、この詩はそういうものの影響を受けていた時期でもある。

『ブルー』
この曲もほぼ同時期に作っている。
後に曲作りの役に立てばいいと思い、素材として録音しておいた。
が、日の目を見なかった曲である。
こういう曲はたくさんある。

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04月04日(金)
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