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頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■唱歌(前編)
おとといの日記を読んだ知り合いから、「あの歌、そんなエピソードがあったと? わりと好きな曲だったから、ショック」と言われた。
それを聞いて、ぼくもショックだった。
しかし、歌の起源なんてそんなものだろう。
あの童謡の『しゃぼん玉』も、野口雨情の子供が死んだ時に作った詩だという。

話は変わるが、ぼくは昔から童謡『赤い靴』が嫌いだ。
何か怖いものがある。
「いーじんさんに つーれられーて いーーちゃーったー」
強制連行の歌である。

また『青い目の人形』も好きではない。
これも野口雨情作詞だが、「やさしい日本の嬢ちゃんよ」という言い回しに引っかかるのだ。
時代的なものはあるにしろ、「嬢ちゃんよ」は「お嬢ちゃん」でもよかったのではないだろうか。
「嬢ちゃんよ」と書かれると、何かお年寄りが呼びかけているように思えてならない。

まあ、ぼくは歌謡曲テレビの主題歌を子守歌代わりに聴いて育っているので、童謡というとどうもピンとこない。
そのため、童謡に関してはあまり好きな歌は見あたらない。
強いて好きな童謡をあげるとしたら、うーん、やっぱりない。

ところが、唱歌となると話は変わる。
ぼくは大の唱歌ファンである。
『蛍の光』は、4番まで知っている。
「台湾のはても 樺太も
 やしまのうちの守りなり
 いたらん国にいくさをしく
 つとめよわがせ つつがなく」
これは昭和初期までの歌詞なのだが、戦後は歌われなくなった。

唱歌で好きな歌といえば、まず一番にあげるのが『おぼろ月夜』である。
ちょうど今時期の歌ということになる。
文語調ではあるが、この歌に関しては違和感がない。
歌詞だけ聴いても、その情景が目に浮かぶ。
まさに名曲と言えるだろう。

『冬景色』という歌も好きである。
が、この歌詞はいささか難しい。
「さ霧消ゆる湊江の
 舟に白し、朝の霜。
 ただ水鳥の聲はして、
 いまだ覚めず、岸の家」
実にきれいな詩ではあるが、今の小中学生は理解できないだろう。

『早春賦』
ぼくが高校の頃に習った歌である。
その頃すでに『知床旅情』を知っていたので、この歌がパクったのかと思っていた。
が、実際は森繁のじいさんがパクっていたのだった。
ぼくが音楽の教科書で見る歌詞は、楽譜の下に書いているひらがなの歌詞のみだった。
「はーるはなーのみーのーかぜーのさむさやー」
ぼくはこれを「春花の実の 風の寒さや」と読んでしまった。
これでは意味が通じないが、音楽で習う歌なんてこんなもんだろうと思い、これで通していた。
「春は名のみの 風の寒さや」と知ったのは、ずっと後のことである。

『港』
「どれみっちゃん はな垂れ 目はドングリ目」という歌である。
もちろんこれは替え歌であるが。
ま、替え歌と言っても、歌詞の替え歌ではない。
これは音階の発展系である。
「ドレミミ ミファソソ・・・」から来ているのだ。
そういえば、『スキー』という歌の替え歌もあった。
「山はしろがね 朝日を浴びて/滑るスキーの 風切る速さ・・・」
を、
「朝は早よから 空弁当下げて/家を出て行く 親父の姿/ずぼんちゃ破けて ふんどし見えて/ああ、情けない 親父の姿」
と歌っていた。

『埴生の宿(ホーム・スウィート・ホーム)』
幼い頃、近くの三菱セメント(今の三菱マテリアル)から、いつもミュージックサイレンが流れていた。
何曲かあったのだが、その中でもこの曲が一番好きだった。
今でもこの曲を聴くと郷愁を感じるのは、幼い頃の記憶によるものだろうか。
その曲名が『埴生の宿』だと知ったのは、映画『ビルマの竪琴』を見た時である。
03月18日(火)
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