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頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■宿題
小学校に行っていた頃、ぼくは宿題をいつも午後9時頃から始めていた。
「あんた、まだ宿題やってなかったんね。学校から帰ってすぐに宿題をすれば、後でゆっくり遊べるのに、何で早くせんとね」
当時母からよく言われた言葉である。
しかし、それは出来なかった。
なぜか?
それは、学校から帰ってから9時までが、ぼくのゴールデンタイムだったからだ。
帰ってからすぐというのは、友だちと遊ぶためのゴールデンタイムである。
友だちと遊んだ後の時間というのは、テレビでマンガをやるゴールデンタイムである。
風呂に入る、飯を食う、9時頃までダラダラとテレビを見る、というのは生活のゴールデンタイムである。
その間、宿題をやる時間というのはどこにもなかったのだ。

小学生の頃に一番嫌いだった宿題は、漢字の書き取りである。
この宿題が出ると泣きそうになったものだ。
しかし、今考えてみると、あんな簡単な宿題はなかった。
何せ、頭を使わなくていい。
ただ同じ漢字を10字とか20字とか書いていけば、それで終わりなのである。
では、そんな簡単なものが何で嫌いだったのか?
それは、書くペースが人よりも遅かったからである。
ぼくに手作業をさせると、とにかく遅い。
図工・習字・技術・家庭科などは、いつもろくな点数をもらえなかった。
その理由は、作品を作るのが遅かったからだ。
ほとんど時間内でやりあげたことはなかった。
そのため提出するのはいつも未完成作品で、提出しないこともままあった。
そういう理由から、午後9時から始めた漢字の宿題が終わるのは、だいたい11時を過ぎだった。
おかげでぼくは、小学生の頃、既に寝不足に悩む人間だった。

苦手ではなかったが、面倒くさい宿題もあった。
算数の分数や小数点の計算である。
算数ドリルには、「これでもか」というくらい計算問題が載っていた。
計算は速かったが、おっちょこちょいだったのでポカが多かった。
そのため、検算という面倒な作業をしなくてはならない。
検算には時間がかかったものだ。
間違いを見つけると、また計算をやり直さなければならない。
これが嫌だった。
せっかく書いたものを、消しゴムで消すというのもむなしいものである。
また、最初の計算が正しくて、検算のほうが間違っている場合もあったが、その時の悔しさと言ったらなかった。
悔し紛れに消しゴムを投つけて、物を壊したことも一度や二度ではない。

たまには好きな宿題もあった。
社会科である。
ぼくの社会科に対する情熱は、並々ならぬものがあった。
趣味とも言ってよかった。
いまだになぜ社会科が好きだったのかはわからないが、おそらく一番現実味のある教科だったからだろう。
先生が通信簿に「他の授業の時は落ち着きがなくふざけてばかりいますが、社会科の時間だけはまるで人が違ったようになります。とにかく目の色が違います」と書いたほどだった。
それだけ好きだった社会科だから、宿題はすぐに終わった。
あまりにも早く終わるので、時間をもてあましてしまい、予習までやっていたものだ。

とはいえ、全般的にぼくは宿題というものが嫌いだった。
その後遺症か、今でも仕事を家に持ち込むことをしない。
前の会社で、よく上司から「家でやってこい」と言われていたが、決して家に持って帰るようなことはなかった。
何時になろうが、会社に残ってやったものだ。
今ならなおさらである。
もし、会社から宿題などを出されたら、この日記が書けなくなる。
そういえば、ぼくがもし日記を書く情熱をなくしたら、この日記もただの宿題になってしまう。
それだけは避けなくては…。
02月25日(火)
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